AIで都市監視や駐車管理、富士通が自社技術でソフト製品
富士通は、AI技術とスーパーコンピュータ技術を活用した都市監視や駐車管理のソリューションを販売した。市街地や施設内に設置された監視カメラ映像を分析し、都市全体の見守りもリアルタイムに実現するという。
富士通は10月3日、同社のAI(人工知能)技術「Human Centric AI Zinrai」とスーパーコンピュータ技術で培った高速画像処理技術を活用し、都市の状況をリアルタイムに把握するソフトウェア「FUJITSU Technical Computing Solution GREENAGES Citywide Surveillance」、インテリジェントな駐車管理を実現するソフトウェア「FUJITSU Technical Computing Solution GREENAGES Parking Analysis」を発売した。
「Citywide Surveillance」は、AI技術を適用した画像解析によって、監視カメラの映像から車両の車型や車種、人物の着衣タイプなどのさまざまな情報を自動抽出する。また、車種別の車両台数や人数をカウントして検知時刻を記録したり、人物の顔の自動的追跡・検索や事前に登録された人物の顔を検知したりする機能も備える。
こうした機能により、都市全体の動きをリアルタイムに把握することもでき、空港・駅・幹線道路・工業団地・ショッピングモール・駐車場といった施設や、市街地などの公共スペースに幅広く活用でき、全体的な車や人の動きの把握や防犯などに適用できるとしている。
併せて、車両や人物以外を対象とする監視ニーズに合わせ、同社のAI専門家が高精度な認識モデルを構築して画像解析機能を拡張する「AI学習サービス」をオプションで提供するとのこと。
「Parking Analysis」は、監視カメラ一台当たり最大100台分の駐車枠の空き状況を映像から分析し、駐車場の満空情報の把握や駐車禁止区域の常時監視といった駐車場の運用効率の改善を支援する。また、屋内駐車場など、広範囲で監視できない場合は、出入り口の映像からカウントを行い、ゾーン内の入庫可能数を割り出すことができる。
こうした機能を活用し、例えば駐車場の運営者であれば、スマートフォンを活用した駐車場空き状況の確認などの顧客サービスの向上や、長時間駐車や駐車禁止エリアの監視によるセキュリティの強化、利用状況に応じた駐車料金設定による収益最適化といったマーケティングの強化など、さまざまな目的に利用できるという。
さらにCitywide Surveillanceとの組み合せにより、車種や車番といったより詳細な車両情報の管理や、車上荒らしの監視など、より高度な駐車場管理も実現するとしている。
Citywide Surveillance、AI学習サービス(オプション)、Parking Analysisの利用価格はいずれも個別見積り。富士通では今後、英国、フランス、中東、シンガポール、中国での販売も計画している。
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