第34回 IoTセキュリティが日本の国家戦略の要になる理由:日本型セキュリティの現実と理想(2/3 ページ)
IoTは現実世界の生活を大きく変革するものであり、日本は国家戦略の要として推進しようとしている。今回は、その国家戦略や団体の動きから、IoTの推進とセキュリティ全体の現状を紹介してみたい。
IoTセキュリティに役立つ情報とは?
このように、IoTの推進とセキュリティ対策の2つの観点に、既に多くの人々が関わっていることがお分かりいただけたと思う。そして、これらの組織の活動からIoTセキュリティとそのシステム設計に関する指針、手引きなど、さまざまな用途のアウトプットが公開された。
アウトプットの一覧を見ると、まるで示し合わせたように、それらが2016年春頃に集中して公開されている。IoTとセキュリティ分野を調査したいと考えている人が、多くの情報を得られるようになったことだろう。しかしその数や分量はやや多過ぎるようだ。
「どれを見ていいか分からない」ということもあり得るので、各アウトプットの位置づけが分かるように関連図を作成してみた。各資料の位置づけや知りたい分野についてどの資料が近いのかを探るヒントになれば幸いである。
例えば、日本のIoTの全体の動きを知るには、「つながる世界の開発指針」や「IoTセキュリティガイドライン」が近いだろう。また、特定の製品や部品メーカーに所属する人なら、「CCDS製品分野別セキュリティガイドライン」を通じてご自身に関連する分野の具体的な内容を確認できるはずだ。
また、筆者も作成に関わった「コンシューマ向けIoTセキュリティガイド」は、誰もが心配する自動車や金銭を直接扱う機器のような重要インフラ以外のコンシューマ向け機器について解説している。IoT機器の過半数はコンシューマ向けの廉価な製品であり、どうしてもそれら機器での対策が遅れる問題提起もしており、その視点で読まれるといろいろな気づきがあるだろう。
これらのアウトプットはどれも無料で、Webサイトからダウンロードできる。IoTセキュリティに課題を持たれる方は、ぜひご自身の立場に近いものを選んでいただきたい。
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