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「システム開発地図」の導入で現場はどう変わるのか 第2回:もう迷わないシステム開発(3/4 ページ)
システム開発を進める上で強力なトレーサビリティーツールとなる「システム開発地図(System Development Map)」について解説。第2回目は、システム開発地図のコンセプトと、システム開発にどのように役立つのかを解説します。
システム開発にどのように役立つか
長期の旅行で事前の計画と地図が役立つように、システム開発地図も長いプロジェクトの道しるべとして役立ちます。システム開発に先立ち、開発全体の方向性と迷いやすい場所での道しるべを決めておき、事前に道順を確認する作業に使えます。
また実際の地図は旅の途中でも度々参照するように、システム開発地図も開発の途中で度々参照することになります。大まかに全体を見渡したり、時には詳細に調べたりする利用方法は、地図と同じです。
- 地図を見れば現在地と目的地が分かる!
- 地図があって読み方を知っていれば、目的地にたどり着ける
システム開発地図の利用シーン
いろいろな活用方法が考えられますが、例えば以下のような利用シーンが挙げられます。
- プロジェクトスタート時に、コアメンバーがこれからやることのイメージを共有する(オリエンテーションやワークショップに利用可能)
- プロジェクトの各メンバーが担当の役割を遂行するために使用する作業レシピやガイドが他にある場合、それらへのポインターとして使用する(「この作業ではこのガイドを参照せよ」など)
- 新しいメンバーがジョインしたときのキャッチアップ(オリエンテーションや自習形式)
- フェーズの切れ目で振り返る時のレビューポイントとして利用する
システム開発地図の効能
システム開発地図は、
- 誰にでも実行可能な手順を提供している
- 上記手順を遂行することで成果物に一定の品質を担保することができる
- 分かりやすい(全体が見える・実例で分かる)
という特徴がありますので、次のような効果をもたらします。
- 誰にでもできる
- 成果物をどの程度の完成度(後続作業が開始できる程度)にすればよいか、どのような入力を求めればよいかが分かる
- 経験の有無によらず、成果物の粒度をそろえることができる
- 直前・直後の作業と成果物の関連を理解できる。課題がどの設計・要求に影響するのか追跡しやすい
- 品質の担保
- 重複・漏れを防ぐことができる
- 分析・設計・実装の一貫性を保つことができる
- 成果物間の整合性を保つことができる
- 分かりやすさ
- 作業と成果物の位置付けを容易に把握できる
- 作業の詳細を学ぶ前に、その作業の全体の中での位置付け・意義が分かる
- 組織に合わせたカスタマイズが容易となる
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