「システム開発地図」の導入で現場はどう変わるのか 第2回:もう迷わないシステム開発(4/4 ページ)
システム開発を進める上で強力なトレーサビリティーツールとなる「システム開発地図(System Development Map)」について解説。第2回目は、システム開発地図のコンセプトと、システム開発にどのように役立つのかを解説します。
システム開発地図で全体を俯瞰しながら作業すれば、疑問解消!
筆者らはコンサルタントとして情報システム部門・システム子会社の皆さまにシステム開発地図を使ったワークショップを実施したりしています。ワークショップの前にお客さまからよく聞くこととして、こんな声があります。
- UMLなんて役に立つのか? 今までそんなものなくてもやってこられた
- 何のためにクラス図を書くのか分からない
- 何のためにその作業をするのかが分からないと、表記法の話を聞いても頭に入ってこない
- もらった成果物の使い方が分からない。何のために作成したのか? これで十分なのか?
などなど……。
システム開発地図を使って全体を俯瞰しながら作業を進めていただくと、皆さんのこのような疑問が解消して、モデルの重要性、トレーサビリティーの大切さを理解していただくことができます。
次回は、システム開発地図の具体的な活用手順を説明していきます。
システム開発地図から、「業務フローを記述する」〜「ラフなユースケースモデルを作成する」〜「ユースケースモデルをブラッシュアップする」の部分を取り上げ、作業と成果物のつながりを追ってみます。
UMLでモデリングするだけでなく、作業間の整合性を取るための対応表などを同時に管理することで、トレーサビリティーを確保します。システムの機能要件の定義方法については、かなり明確な手順と具体例を示します。
著者プロフィル:今田忠博
SIの現場でSE、PMなどを経験。SI現場で悲惨な体験をし、開発現場を効率的にしたいと2004年に豆蔵に移籍。アーキテクトやフレームワークの設計・実装、PM支援、要件定義コンサルタントなどの業務を経験。そもそも要求が間違っていると、そのあといくらがんばっても幸せになれないと理解する。現在は保守の効率化のため、自動打鍵テストの省力化に取組中。
著者プロフィル:近藤正裕
豆蔵 技術コンサルティング事業部に所属するITアーキテクト。ユーザー系企業でシステム開発、研究開発を担当し、2003年から現職。Java/.NET によるエンタープライズシステム開発を多数手掛ける。アーキテクチャ構築、フレームワーク開発、開発者向けガイド作成、各種自動化を実施してプロジェクトを推進するとともに、アプリケーション品質・開発効率の向上を目指す。
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