Alphabet(Googleの持ち株会社)、モバイル検索とYouTubeが好調で2桁台の増収増益
Googleを傘下に持つAlphabetの7〜9月期の決算は、アナリストの予想を上回る増収増益だった。モバイル検索と動画(YouTube)が好調だった。
Googleを傘下に持つ米Alphabetは10月27日(現地時間)、第3四半期(7〜9月)の決算を発表した。AlphabetはGoogleが組織再編で設立した持ち株会社で、2015年10〜12月期からGoogleとその他の傘下企業の業績を分けて開示している。
Alphabet全体の売上高は前年同期比20%増の224億5100万ドル、純利益は27%増の50億6100万ドル(1株当たり7.25ドル、非GAAPベースでは9.06ドル)だった。売上高、非GAAPベースの純利益ともに、アナリスト予測(売上高は220億5000万ドル、非GAAPベースの1株当たり純利益は8.64ドル)を大きく上回った。
AlphabetおよびGoogleのCFO(最高財務責任者)であるルース・ポラット氏は発表文で「モバイル検索と動画(YouTube)がコア事業である広告に貢献した。また、Googleおよびその他の新規事業も成長している」と語った。
Googleの売上高は前年同期比20%増の222億5400万ドルで、前期同様にAlphabet全体の99%を占めた。営業利益は17%増の67億7800万ドル。検索と連動した広告の伸びを示すペイドクリック数は33%増加。前期比では9%増だった。モバイル端末の普及とYouTubeのTrueView広告の影響で下落が続いているクリック単価(CPC、クリックごとに広告主がGoogleに支払う単価)は11%減、前期比で5%減だった。
Webと広告以外ではクラウドが好調で、Googleの“その他”の売上高は39%増の24億3300万ドルだった。同社は9月、「Google Cloud Platform」や「Google Apps for Work」など、一連のクラウドサービスを「Google Cloud」という総称の下、包括的なクラウドサービスとして強化していくと発表した。業績発表後の電話会見でポラット氏は、クラウドの売上高増加率は過去最高だったと語った(具体的な数値は明らかにしなかった)。
その他(Other Bets)の売上高は40%増の1億9700万ドル、営業損失は前年同期の8億6500万ドルから9億8000万ドルに拡大した。Google Fiberや“ムーンショット工場”Xへの投資が大きかった。同社は26日、Google Fiberのサービス地域拡大の中止を発表した。
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