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「システム開発地図」の使い方と作り方 第3回:もう迷わないシステム開発(3/4 ページ)
システム開発を進める上で強力なトレーサビリティーツールとなる「システム開発地図(System Development Map)」について解説。第3回は、地図の見方と、業務フローを記述する具体的な手順を解説します。
「ラフなユースケースモデルを作成する」〜「ユースケースモデルをブラッシュアップする」
ユースケースモデルは、「関心対象のシステムがその利用者に対して提供するサービスを、利用者の視点から整理し、モデル化したもの」です。UMLを利用していない開発現場では、「機能一覧」とか「機能定義書」と呼ばれているものが相当します。
ラフなユースケースモデルを作成する
システム開発地図から、「ラフなユースケースモデルを作成する」という作業に関連する成果物を抜き出してみましょう。
業務分析で作成した業務フローの情報を基にユースケースモデルが作成され、後の成果物に変換されていく様子が見て取れると思います。この作業の入力と出力は次のようになります。
- 入力
- 業務フロー
- 出力
- ユースケースモデル(梅レベル)(注3)
- アクティビティー-ユースケース対応表(梅レベル)
ユースケースモデルでは、図と文章を記述します。
- ユースケース図: システム全体でどのサービスが誰に提供されるのかを概観する図
- ユースケース記述:アクターとシステムとのやりとりを、ユースケース毎に把握する文章
まずは業務フローから対象システムとやりとりのあるアクティビティーを機械的に抽出して、ユースケース(の候補)として仮置きします。中心的なアクターは、業務フローの中でシステムとやりとりのあったスイムレーンと対応します。このアクターは後に洗練化されていきます。この作業では、ユースケース記述は、概要のみにしておき、後続のブラッシュアップ作業の中で、詳細な記述を作成します。アクティビティーとユースケースの対応を管理するために、対応表を作成します。
注3: システム開発地図では、ユースケースモデルの洗練度に応じて松・竹・梅の3段階を設定しています。
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