ソフトウェア、「タダ」より高いものはない:失敗しない「外資系」パッケージソフトとの付き合い方(1/3 ページ)
外資系パッケージソフトの導入で失敗しないための方法を解説する本連載。今回紹介するのは、価格に関するお話。皆さん「無料」って言葉は好きですよね。パッケージソフトウェアの世界では、そこにワナが潜んでいるわけですが……。
突然ですが、読者の皆さんは“無料”や“タダ”といった言葉は好きですか?
パッケージソフトウェアを選定するときには、しばしばこの言葉が出てきます。例えば、「このソフトウェアをお買い上げいただければ、これも無料で使えます!」といった感じです。特に外資系ソフトウェアの場合、この「無料」という言葉に注意が必要なのです。
今回は、製品選定の場面で「無料」という言葉につい釣られて購入してしまった失敗例と、そうならないためのポイントを見ていきます。
失敗事例4:「無料」のバンドルソフトに釣られて購入、結局使いこなせない
「無料のソフトウェアに無料のサービス」と聞くと、お金を払わなくていいし、何だか得した気分になるかもしれません。まるでテレビショッピングのような売り文句ですね。もちろん、世の中にある無料のパッケージソフトウェアがいけないという話ではありません。誰でも自由に無料で使える、素晴らしいソフトウェアもたくさんあります。
しかし、製品選定の場面でベンダーから「無料」という言葉が出てきたら、どうでしょうか。システムを調達したい企業が、複数のパッケージソフトウェア候補の中から1つに絞る場合、機能や導入のしやすさ、保守体制など、さまざまな軸で評価を行いますが、何といってもインパクトが大きいのは“価格”です。
そもそも予算を大きくオーバーするのであれば購入の対象外になるでしょうし、両社甲乙つけがたい状況では価格優先で決まることもあるでしょう。そのような場面で、提案の一部のパッケージソフトウェアが、かたや「有償かつ導入費用も提示」されており、かたや(書面上では)同等の機能に見えるが、その他のソフトウェアにバンドルされる形で、「無償かつ導入費用もない」となったら、あなたはどちらを選択するでしょうか。
やはり、「同等の機能かつタダ」というのは魅力的ですよね。しかし、気を付けないと記事のタイトルにある通り、「無料」の落とし穴にハマってしまうかもしれません。
同じような機能を提供するソフトウェアなのに、なぜ有償で提供する企業と、無償で提供する企業が出てくるのか――。それは、そのソフトウェアを販売する企業の戦略の違いによるものなのです。
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