コレ1枚で分かる「IoTの定義」:即席!3分で分かるITトレンド
IoT(Internet of Things)は、「現実世界の出来事をデジタルデータに変換する仕組み」という狭義のIoTと、「デジタルデータで現実世界を捉え、アナログな現実世界を動かす仕組み」という広義のIoTに定義できます。
この連載は
カップめんを待つ間に、電車の待ち時間に、歯磨きしている間に“いまさら聞けない”ITトレンドが分かっちゃう! 今さら聞けないITの最新トレンドやビジネス戦略を、体系的に整理して分かりやすく解説する連載です。「この用語、案外、分かっているようで分かっていないかも」「IT用語を現場の社員にもっと分かりやすく説明できるようになりたい」――。情シスの皆さんのこんな課題を解決します。
IoT(Internet of Things)についての定義は、必ずしも定まったものはなく、その定義が曖昧なままに使われていることもあるようです。
そもそもInternet of Thingsという言葉を最初に使ったのは、商品や荷物に付ける無線タグの標準化団体「Auto-ID」の創設者の1人であるKevin Ashton氏で、1999年のことだとされています。彼はIoTを「無線タグを付したモノがセンサーとコンピュータを介してインターネットに接続される仕組み」と定義していますが、無線タグ普及の取り組みの延長線上での解釈といえるでしょう。しかし、今では、より広い意味で使われることが増えています。
1つは、「現実世界の出来事をデジタルデータに変換しネットに送り出す機器や仕組み」です。モノに組み込まれたセンサーが、モノ自体やその周辺の状態や変化を読み取り、ネットワークに送り出す技術、その技術が組み込まれた機器、またはこれを実現するための通信やデータ管理のサービスをいう場合です。
もう1つは、「デジタルデータで現実世界を捉え、アナログな現実世界を動かす仕組み」です。モノから送り出された現実世界のデータをサイバー世界の機械学習で分析し、規則性や最適な答えを見つけ出し、それを使って機器を制御し、人にアドバイスを与えるなどして現実世界を動かします。その動きを再びセンサーで読み取り、ネットに送り出す、この一連の仕組みをいう場合です。
前者は、手段に重点を置いた解釈で、後者はデータの使われ方やデータを使って価値を生み出す全体の仕組みに重点を置いた解釈です。先に紹介したCPS(サイバー・フィジカル・システム)と同じ意味といってもいいでしょう。
いずれか1つが正しいというのではなく、このようないくつかの解釈があるということです。また、モノだけではなく人を含むあらゆる出来事がインターネットに接続しデータを生み出す仕組みという意味から、IoE(Internet of Everything)という言葉が使われることもあります。もともとCisco Systemsが提唱した概念ですが、これもまたIoTの1つの解釈といえるかもしれません。
著者プロフィル:斎藤昌義
日本IBMで営業として大手電気・電子製造業の顧客を担当。1995年に日本IBMを退職し、次代のITビジネス開発と人材育成を支援するネットコマースを設立。代表取締役に就任し、現在に至る。詳しいプロフィルはこちら。最新テクノロジーやビジネスの動向をまとめたプレゼンテーションデータをロイヤルティーフリーで提供する「ITビジネス・プレゼンテーション・ライブラリー/LiBRA」はこちら。
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