コレ1枚で分かる「IoTがもたらすモノのイノベーション」:即席!3分で分かるITトレンド(1/2 ページ)
IoTによってモノがどう変わるのか、「進化する」「賢くなる」「タイムマシン化する」という3つの視点から具体的に見ていきましょう。
この連載は
カップめんを待つ間に、電車の待ち時間に、歯磨きしている間に“いまさら聞けない”ITトレンドが分かっちゃう! 今さら聞けないITの最新トレンドやビジネス戦略を、体系的に整理して分かりやすく解説する連載です。「この用語、案外、分かっているようで分かっていないかも」「IT用語を現場の社員にもっと分かりやすく説明できるようになりたい」――。情シスの皆さんのこんな課題を解決します。
IoTの本質とCPSがもたらすもの
「現実世界(Physical World)の出来事をデジタルデータに変換しネットに送り出す仕組み」
IoTは現実社会からデータを送り出す上り方向の役割と同時に、
「サイバー世界(Cyber World)で得られた最適解や判断で現実世界を動かす仕組み」
といった下り方向の役割も併せ持っています。このような両方向の関係が、IoTの本質といえるでしょう。この両者をまとめて表現するならば、
「デジタルデータで現実世界を捉え、アナログな現実世界を動かす仕組み」
であり、サイバーフィジカルシステム(Cyber-Physical System:CPS)とも呼ばれています。このCPSによってモノにはどのようなイノベーションがもたらされるのでしょうか。
進化するモノ
モノがネットにつながっていなければ、モノは買ったときの機能が全てです。私たちは、「買ったときのモノの機能」を使いこなさなくてはなりません。
しかし、モノがネットにつながることで、モノがどのように使われているのかが、メーカーに伝わります。モノに組み込まれたソフトウェアがその役割を果たします。
そしてメーカーの開発者は、そのデータを参考にソフトウェアに改良を加え、ネットを介してモノに提供することができます。モノに組み込まれたソフトウェアはアップデートされ、これまで以上に使い勝手が良く高機能なモノへと進化します。
賢くなるモノ
コンピュータがこれまでにも増して小型・高性能化したとしても、モノという限られた体積の中に埋め込まれる以上、モノの頭脳には限界があります。
しかし、モノがネットにつながっていれば、その先にあるクラウドコンピューティングを自らの頭脳として使うことができます。クラウドには無尽蔵ともいえるデータ保管場所と計算能力があります。また、モノの中には収まりきれない機能を提供してくれるさまざまなサービスが稼働しています。モノは、ネットを介してそれを利用することができます。モノは、クラウドという無限の頭脳を手に入れて賢くなるのです。
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