コレ1枚で分かる「IoTで全てがつながることの価値」:即席!3分で分かるITトレンド
IoT(Internet of Things)でモノとモノがつながると、どんな未来が実現するのだろう? そしてそこには、どんなビジネスチャンスがあるのだろう? 身近な自動車を例に考えてみましょう。
この連載は
カップめんを待つ間に、電車の待ち時間に、歯磨きしている間に“いまさら聞けない”ITトレンドが分かっちゃう! 今さら聞けないITの最新トレンドやビジネス戦略を、体系的に整理して分かりやすく解説する連載です。「この用語、案外、分かっているようで分かっていないかも」「IT用語を現場の社員にもっと分かりやすく説明できるようになりたい」――。情シスの皆さんのこんな課題を解決します。
社会システム全体の最適化が実現?
「モノとモノがネットワークされること」――。IoTをこのように理解すると、そこに新しい価値が見えてきます。自動車を例に考えてみましょう。
自動車が単独でデータ通信機能を持つことは、便利なことです。例えば、次のようなことが可能になるでしょう。
- トライブ先のおいしいレストランを検索し、カーナビにセットする
- 渋滞情報を調べ、回避ルートをカーナビに設定する
- かぎをかけ忘れたかもしれないと心配になり、スマホから施錠する
- 炎天下の駐車場に置かれた車のクーラーのスイッチをスマホからオンにする
- 制御ソフトウェアを更新し、操作性や燃費を改善する
その自動車単独の利便性や快適性は向上することになるでしょう。
では、このデータ通信機能を持った自動車がお互いにネットワークされると、どのようなことが可能になるのでしょうか。
- お互いの位置や車速の情報をやりとりし、渋滞にならないように協調しながら速度調整を行う
- 多数の自動車の位置や速度、走行ルートについてのデータから、信号機の点滅をコントロールし、渋滞を回避し、スムースな走行を実現する
- 上記情報に加え、通行量の時間変化を分析して、道路の中央線を移動させて渋滞を回避しスムースな走行を実現する
このように道路交通システム全体の最適化が実現し、快適なドライブを楽しむことができるようになります。
また、この仕組みを使い、災害時には道路管制システムと自動車の自動運転機能を連動させて、人々をいち早く避難させて減災に役立てたり、周囲の車と協調して走行し、事故を回避したりすることが可能になります。
また、もし事故が起きて道路が封鎖されたら、後続の車に迂回(うかい)ルートをガイドし、自動運転機能で誘導したり、鉄道や航空機などの他の交通システムと連携して増便などにより代替の移動手段を確保したりすることも可能になるかもしれません。
このように、単独でつながるだけでは実現しなかった社会システム全体の最適化が、全てがつながることで実現するのです。
IoTを、このような大きな仕組みと捉えてみてはいかがでしょうか。これまでにはできなかった新たなビジネスの可能性が見えてくるかもしれません。
著者プロフィル:斎藤昌義
日本IBMで営業として大手電気・電子製造業の顧客を担当。1995年に日本IBMを退職し、次代のITビジネス開発と人材育成を支援するネットコマースを設立。代表取締役に就任し、現在に至る。詳しいプロフィルはこちら。最新テクノロジーやビジネスの動向をまとめたプレゼンテーションデータをロイヤルティーフリーで提供する「ITビジネス・プレゼンテーション・ライブラリー/LiBRA」はこちら。
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