IBM支援の地銀共同システム、第四銀行で稼働開始
第四銀行は、千葉銀行、中国銀行の3行で共同利用する新たな基幹系システムを稼働開始した。地銀7行と日本IBMで進めている「TSUBASA(翼)プロジェクト」の一環として開発されたシステムで、顧客サービス・商品の充実などを目指す。
日本IBMは1月4日、同社が開発を支援する「TSUBASA(翼)プロジェクト」の基幹系共同システムが、第四銀行(新潟市)で稼働を開始したと発表した。
TSUBASA(翼)プロジェクトは、顧客サービス・商品の充実、ITコストの抑制、IT要員の相互補完などを目的に、2008年3月に千葉銀行、第四銀行、中国銀行、伊予銀行、北國銀行の5行がシステムの共同化で基本合意していたもの。サブシステムとともに将来の基幹系システムの在り方について共同で調査・研究を進めているという。同プロジェクトには、東邦銀行が2012年4月に、北洋銀行が2015年8月に参加している。
2012年10月には、同プロジェクトの1つとして基幹系システムを共同化すべく、千葉銀行、第四銀行、中国銀行が共同化を基本合意し、開発を開始した。千葉銀行の従来システムを基に、共同システムとして必要な要件と参加行との共通要件、固有要件を取り込んだ機能を開発し、参加行が順次共同システムへ移行する予定。2016年1月4日に千葉銀行で稼働を開始しており、今回の第四銀行は2行目となる。今後は2017年5月に中国銀行でも稼働を開始する予定。
この基幹系共同システムは、勘定系・対外系システムに加え、コンビニATMなどのチャネル連携システムやサブシステムへのデータ連携システムも含むという。稼働開始後のシステム開発・運用については、日本IBMが受託するとのこと。
なお日本IBMは、サブシステムについて、千葉銀行と第四銀行に共同コールセンターシステムを、千葉銀行、第四銀行、中国銀行、伊予銀行に共同CRM(顧客情報管理)システムのシステム基盤を提供している。
また、日本IBMは、千葉銀行、第四銀行、中国銀行が金融分野における先進的なIT技術とその活用について共同で調査・研究を行うために立ち上げた「TSUBASA金融システム高度化アライアンス」における調査・研究へ協力。さらに、2016年7月に、千葉銀行、第四銀行、中国銀行、伊予銀行、東邦銀行、北洋銀行の6行と日本IBMにて「T&Iイノベーションセンター」を設立し、金融とITを融合したFinTechの調査・研究とFinTechを活用した金融サービスの企画・開発を実施しているという。
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