スターバックス、1万人の難民雇用とメキシコとの交流強化を宣言
Starbucksのハワード・シュルツ会長兼CEOが、ドナルド・トランプ米大統領による移民規制大統領令署名を受け、世界75カ国の店舗での1万人の難民雇用と“メキシコとの国境に壁ではなく橋をかける”ことを発表した。
米Starbucksのハワード・シュルツ会長兼CEOは1月29日(現地時間)、27日にドナルド・トランプ米大統領が難民受け入れを規制する大統領令に署名したことを受け、同社が75カ国で展開している店舗で、向う5年間に1万人の難民を採用する計画を発表した。
これは、同氏が従業員(同氏は“パートナー”と呼ぶ)に向けて送った「先行き不透明な時代に確固たる価値観に生きる」というタイトルのメッセージの中で発表したもの。
トランプ大統領は25日には、メキシコとの国境沿いに壁を建設することを命じる大統領令にも署名している。
シュルツ氏は「メキシコとの間に壁ではなく、橋をかける」とし、メキシコで展開する600店舗で7000人以上のメキシコ人従業員を雇用していることや、コーヒー豆をメキシコの農園から輸入していることを説明し、米政府による貿易制裁、移住制限、課税などの影響を受ける可能性のあるメキシコの従業員および顧客をサポートしていくと語った。
「昨年から学ぶべき教訓があるとすれば、われわれの主張や投票がかつてないほど重要だということだ。われわれには、自分達で選出した政府に、われわれの意見に耳を傾けさせる責任がある。(中略)Starbucksのミッションは、“人々の心を豊かで活力あるものにするために、1人のお客様、1杯のコーヒー、そして1つのコミュニティーから”で、そのコミュニティーが共和党支持でも民主党支持でも、キリスト教国でもイスラム教国でも、分断された国でも統一国家でも変わらない。それは今後とも変わらない。私が保証する」(シュルツ氏)
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