Windows 10の最初のリリースがサポート終了、複雑すぎるサポートポリシーの中身:Enterprise IT Kaleidoscope(2/3 ページ)
Windows 10の最初のリリース対するサポートが3月26日で終了する。Windows 10では「Windows as a Service」というコンセプトが導入されているが、これに基づくサポートの変化について確認しておこう。
Windows 10のサポート ライフサイクルとは?
WaaSを理解する上では、そのベースにあるWindows 10のサポート ライフサイクルを知らないといけないだろう。
CBでは、常に最新の機能更新プログラムをサポートするため、機能更新プログラムの提供後4カ月間が最短のサービス ライフサイクル期間となる。つまり、CBでは機能更新プログラム提供から最短で4カ月後にはアップデートしなければならない。CB向けの品質更新プログラムは、基本的に最新の機能更新プログラム(リリース)を対象としている。このためCBBの設定をしていない限り、機能更新プログラムの提供から4カ月後に、品質更新プログラムも自動的にアップデートされる。
一方、CBBはCBから4カ月後に提供が始まり、「最短12カ月+60日」の猶予期間後は、自動的に新しい機能更新プログラムがインストールされる。
ここで面倒なのは、CBやCBBのサービス ライフサイクルでは最短期間しか明示されておらず、必ずしも最短期間で移行していくわけではないということだ。CBでは概ね4カ月というスケジュールが守られているものの、CBBにおける(CBリリースから)4カ月+12カ月+60日の猶予期間は、目安でしかない。
これには、新しい機能更新プログラムがいつ提供されるのかという点に関わってくる。現状では1年間のうち、どの時期に機能更新プログラムがリリースされるか確定していないからだ。このためCBBにおいては、2世代前のWindows 10のサポートは、新しい機能更新プログラムがリリースされてから「6カ月+60日間」という猶予期間が目安になる。
例えば、2015年11月にリリースされた「Windows 10 November Update」(1511)は、次期リリースの「Windows 10 Creators Update」(Redstone2)の提供開始後の「6カ月+60日」の猶予期間を経てサポートが終了する。
もしWindows 10 Creators Updateが2017年4月にリリースされるとすれば、Windows 10 November Update(1511)のCBBでのサポート終了は、2017年12月という具合だ。この例では、Windows 10 November Update(1511)のサポート期間が25カ月になる。
2016年8月にリリースされた「Windows 10 Anniversary Update(1607)」は、次々世代のWindows 10(Redstone3)がリリース後、「6カ月+60日間」の猶予期間でサポートが終了する。仮にRedstone3のリリースが2017年11月だとすれば、Windows 10 Anniversary(1607)のサポート終了は2018年6月であり、サポート期間は22カ月になる。
このようにWindows 10のサポート期間は、リリースタイミングによって変化する。
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