家庭用NASと企業用NAS、決定的な違いは:仮想化&ストレージの基礎と最前線(1/2 ページ)
ネットワーク接続型のストレージ「NAS(Network Attached Storage)」の特徴やメリットとは? 用途によって家庭用と業務用に分け、それぞれのポイントをまとめます。
この記事は羽鳥正明氏のブログ「仮想化&ストレージの基礎と最前線」より転載、編集しています。
今回は、企業で使うNAS(Network Attached Storage)にはどのような機能が付加されているかをご説明します。
NASとは何か
NASは、LANに接続して利用する外付けHDDです。NASと表記して「ナス」と読みます。外付けHDDは1対1ですが、NASはLANのネットワークに接続して、そのネットワークに参加している各デバイスからのアクセスが可能な点が大きな特徴です。
家庭内やオフィス内にある複数のPCやスマホなどの機器を、LAN経由でNASに接続し、ファイルのバックアップや共有などに利用します。
ただ、USBを介して直接PCに接続する外付けHDDなどと違って、使いこなすのなかなか難しい代物ではあります。外付けPCと同じように捉えられることもありますが、実質的に、NASはファイルサーバであり、ファイルの置き場に特化したコンピュータという位置付けになるでしょう。
設定は比較的高度で、NASに画面をつないで直接設定や制御をするのではなく、ネットワーク越しに行うため、通常の外付けHDDのようにすぐに使える、というわけではありません。
デジタルデータが主流の現代では、NASの需要は以前に比べて高まっており、製品によっては盗難・紛失対策として、データをHDD内で暗号化して保存するものもあります。
家庭用NASの用途と選び方
そんなNASは、大きく分けて家庭用と法人用が存在します。
家庭用のNASは、ストレージ機能に加え、プライベートの写真や動画を管理したり、音楽サーバ代わりに使えたりと、多彩な機能を持っています。
最近は家庭内でも、個人でPCやタブレット、スマホといった複数のデジタルデバイスを使い分けることが普通になってきました。こういった状況からも、NASのような独立型の集積場所が便利になってくるというわけです。
例えばスマホの記憶容量には一定の限度があるため、NASにデータを保存すれば、スマホ内の記憶容量を効率良く利用できます。
PCについてもHDDの空きスペースは人それぞれでしょう。大量のデータを所有し、空きスペースがほとんどない人もいれば、データ保存はほとんどしておらず、HDDにかなり空きがあるという人もいるでしょう。NASがあれば、それぞれの状況を考慮しつつ、各人が必要に応じてスペースを使うとことができるます。
まだ家庭でNASを利用している人は多くはありませんが、利用するのであれば、動画などのファイルサイズの大きなものをメインに扱うのに便利でしょう。
家庭用のNASを選ぶ際は、その用途を具体的に想定して機種を絞り込むようにしましょう。
例えばテレビ番組の録画データが多数あり、さまざまなデバイスで視聴したいという場合、HDDレコーダーとしての機能は当然のことながら、そこからダビングを行うため、DTCP-IPという規格を有している必要性があります。選定対象のNASがそれに対応していれば、Blu-rayディスクやDVDへのデータ保存も可能なため、動画をさらに楽しむこともできます。
なお、NASは内部で頻繁にデータの書き換えを行うため、騒音が気になることがあります。その場合は、ファンレスで静音設計になっているものや、HDDではなくSSDを搭載するモデルなどを検討するとよいでしょう。
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