店舗のカメラで来店者の行動を可視化し分析 NECの「人物行動分析サービス」
画像解析技術を活用し、店舗内のカメラ映像から来店者の性別や年代、移動履歴、滞留状況を把握し、来店者の行動を可視化・分析。データに基づいたマーケティング施策の立案や、施策効果の検証も可能となる。
NECは3月1日、流通・小売業全般のマーケティング用途として、店舗内のカメラから来店者の行動を可視化して分析する「人物行動分析サービス」を販売開始した。
「人物行動分析サービス」は、店舗内にあるカメラの映像から人物・顔を検出して性別年齢などを推定する「性別・年齢自動推定技術」や、複数のカメラの映像を連携・活用して、人物を検出、追跡する「人物動線抽出技術」などのNEC独自の画像解析技術により、来店者の性別や年代、人数、移動履歴、滞留状況などを把握し分析する。
時間帯ごとの来店者数推移や、来店者の滞留状況を示すヒートマップ、人気棚や課題発見が可能なコンバージョン(実店舗での通過人数に対する検討人数などの比率)といった分析結果により、来店者の行動パターンの傾向を把握できるため、効果的な店舗レイアウト設計、時間や移動経路に合わせたキャンペーン施策や効果検証などが可能になるという。
さらに、これらの情報とPOSの購買実績などを合わせて活用すれば、購買者だけでなく、非購買者の行動分析も可能となり、機会損失の削減や新規顧客の取り込みなど、効果的なマーケティング施策の立案が行えるとしている。
分析結果はウェブブラウザで利用可能なクラウドサービス(SaaS)として提供するため、外出先からのデータ閲覧や複数店舗データの一元管理も容易とのこと。分析機能は、NECのクラウド基盤サービス「NEC Cloud IaaS」で提供される。
また、「人物行動分析サービス」は、センサーやタグなどの認証装置を必要とせず、容易に情報を取得できるうえ、既設の防犯カメラを活用することもできるため導入コストの低減にもつながるという。
価格(税別)は、1店舗月額22万円から。店舗内のカメラ調整やシステム環境構築費用などの初期導入費用は別途。
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