クラウドで複雑化する運用管理、もう限界 属人化からの脱却法とは:Weekly Memo(1/2 ページ)
マルチクラウド時代の運用管理とはどうあるべきなのか。IIJがその課題を示し、最適解を目指したソリューションを発表した。果たして、企業にとってどこが問題なのか。
マルチクラウド環境における3つの課題とは
「企業においてさまざまなパブリッククラウドサービスが利用されるようになり、従来のオンプレミスによるプライベートクラウドとのハイブリッド利用も進む中で、これらを統合的に運用管理していくクラウドサービスが絶対に必要だ」
インターネットイニシアティブ(IIJ)の鈴木幸一会長兼CEOは、同社が先頃開いた新サービスの発表会見でこう強調した。同社が発表したのは、マルチクラウド化が進む企業のシステム運用を効率化する「IIJ統合運用管理サービス」。まさに鈴木氏が必要と語ったサービスだ。ちなみに、同社が言う「マルチクラウド」には、オンプレミスとのハイブリッド利用も含まれている。
確かに、鈴木氏が言うようにマルチクラウド環境を統合的に運用管理できるサービスが必要なのは想像がつく。しかし、そこにはさまざまな課題があるようだ。今回、IIJがその課題について説明した内容が非常に分かりやすかったので、ここで取り上げておきたい。
鈴木氏に続いて説明に立ったIIJの立久井正和 執行役員クラウド本部長は、まず企業におけるマルチクラウドの活用状況について、自社ユーザーの調査結果から、7割以上が複数のパブリッククラウドサービスを併用していると指摘。一方、国内企業における現行システムの稼働環境については、6割超が自社拠点内データセンター、5割超が国内のデータセンター事業者を利用していることが、ITRの調査結果で明らかになったとしている。
そうしたマルチクラウド化が進む中、立久井氏はマルチクラウドの課題として「ネットワーク」「セキュリティ」「システム運用」の3つを挙げ、「例えば、ネットワークではクラウドごとに接続方法が違っていたり、セキュリティでもクラウドごとに管理の仕方が異なっており、それらを統合して運用するのはなかなか難しい」と説明。図1に示したのが、3つの課題それぞれの要素である。
ちなみに、IIJはこのマルチクラウドの3つの課題に対し、それぞれに同社ならではのソリューションを展開しているが、ここではともかくマルチクラウドの課題として上記の3つがあり、それぞれに図1に示した要素があるということを認識していただきたい。
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