デジタル変革に追い付くための、ITモダナイゼーションの「あるべき姿」とは?:ITmedia エンタープライズ ソリューションセミナー レポート(3/4 ページ)
レガシーシステムのマイグレーションによる、いわゆる「現代化」は競争力を高めるうえで武器となる半面、実践にあたっては厄介な課題も存在する。現代化に向けた最新動向と、課題解決を支援する取り組みとは。
セミナーでは協賛企業のシステムズ、日立公共システム、ソフトロードから、システム老朽化に打開策の1つであるレガシーマイグレーションについて取り組みが紹介された。
独立系ベンダーとして、異機種間の移行を支援
システムズは、独立系ベンダーならではのメーカーを問わない異機種間の移行提案を武器に、特にリライトによるマイグレーションで、約20年にわたり企業のシステム現代化を支援してきた老舗ベンダーだ。
品質管理やテスト生産性など、マイグレーション関連の特許を国内外で18件も取得。変換ツールに依存することなく、ソースコード解析を基にした変換設計手法の確立と標準化を通じて、幅広い開発言語の現代化に柔軟に対応できることが強みという。
そんな同社が近年注力しているのがクラウド移行だ。リソース調達の容易さやコスト面の高い柔軟性、そしてプロバイダーに運用を一任することによる管理の容易さという3つのメリットがあり、関連会社を含めたシステム基盤の刷新にクラウドを活用する企業や自治体の数は右肩上がりに増えているのだという。
講演では、今後増えるであろうWindowsの刷新に向けた課題も指摘。「Visual Basic6.0」から「VisualBasic.NET」の移行にあたっては、共通プログラム群の仕様が異なるために、プログラム側を補正する必要があることなどを注意点として訴えるとともに、独自ツールで作業量を抑えることで、Windows環境でも短期かつ低コストでの移行だと強調した。
小規模な移行結果を基に、移行方式も柔軟に見直す
日立公共システムは、リホストとリライトによるシステム刷新に活用を見込める同社のソリューションを取り上げた。1つ目はリホストで確実に移行するための「オープン化移行支援サービス」だ。
リホストにおいては、2層構造のシステムの3層構造への変換などが求められるケースが多い。必然的に処理のフローが変わることが、システム性能を担保するうえで大きな課題となるという。
この点を踏まえ、同サービスでは要件定義と概略設計を実施。加えて、小規模な移行トライアルで設計精度と性能の検証も実施し、その結果を移行方式に反映させるのがポイントだ。問題点を確認しながら作業を進め、実際の性能を基に移行手法を見直すことで、移行後のシステムの品質確保ができるのだ。
2つ目は、リライトの手間を格段に削減する「言語リニューアルサービス」だ。COBOLからJavaへのリライトは、COBOLの言語特性にプログラムが依存する部分があることが一般的にネックとされている。それに対して、同サービスでは変換が困難なコードを独自ライブラリに集約実装することで対応。企業の資産特性をコンバータに反映させることで、90%以上の高い変換率を実現しているという。
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