デジタル革新の取り組みの34%に具体的な成果、世界のビジネスリーダーが回答――富士通調査
富士通が行った「グローバル・デジタル革新調査」によると、世界のビジネスリーダーの89%がAIやIoTなどのデジタル技術によるデジタル革新に取り組んでおり、取り組みのうち34%が売上向上などの具体的な成果を挙げていることが分かった。
富士通は4月18日、世界的なデジタル革新の動向・実態の調査を目的に、世界15カ国の経営層と意思決定者(ビジネスリーダー)を対象に実施した「グローバル・デジタル革新調査」の結果を公開した。
調査は、日本を含むアジアや欧米、オーストラリアで中規模以上の企業における経営層および経営層に相当する意思決定者を対象に、2017年2月にオンラインアンケートを実施。「デジタル革新の現状認識(分野、進ちょく、成果、成功要因、課題)」「デジタル革新に必要なパートナー」「AIの認識、デジタル時代に強化すべき能力」について尋ね、15カ国、1614人の回答を得た。
デジタル革新に向けた取り組み状況では、ビジネスリーダーの89%が、属する企業や組織において、デジタル革新へ向けた取り組みを開始していると回答。その進ちょく状況は、検討やトライアルの段階のみではなく、具体的な成果を目指した実行のステージに入っており、34%のプロジェクトで売上増加や顧客との関係強化といった成果を挙げていることが分かった。
取り組み状況を分野別に見ると、業務では、マーケティング(38%)がトップで、続いてワークスタイル(35%)、運用保守(30%)の分野となった。業種専門領域では、金融・保険(51%)、医療・福祉(51%)に次いで、製造分野でデジタル革新に関するより多くの取り組みが行われている。
デジタル革新による具体的な成果のトップ3は、売上の増加(46%)、顧客との関係強化(44%)、商品競争力強化(36%)であり、デジタル革新がビジネス成長に貢献し始めていることを確認。
デジタル革新の成功要因としては、スキルを持った人材の確保(19%)、リーダーシップの発揮(18%)、革新に対応できる組織やプロセスの整備(17%)が重要とされていることが分かった。また、デジタル革新の実現にあたって、技術力だけでなく、ビジネスを理解し、ビジョンや戦略の親和性があるテクノロジーパートナーとの共創が必要であるという結果も得られた。
AIに対する認識については、ビジネスリーダーの77%がAIを大きな機会であると捉えており、具体的には、将来的に「人の能力を拡張できる」と考えているなど、AIに大きな期待を寄せている結果となった。
さらに、デジタル革新において必要な能力としては、デジタル時代に人が最も強化しなければならない能力は「デジタル技術に関する専門知識」(18%)に加えて、「発想力や創造性」(17%)などが必要と考えられていることが判明。デジタル革新を実現するには、それらの能力を持ったデジタル人材の育成や、確保が重要という結果が得られた。
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