コレ1枚で分かる「IoTがビジネスフレームワークであること」:即席!3分で分かるITトレンド(2/2 ページ)
IoTをビジネスフレームワークとして捉えると、ビジネス課題の解決に必要なテクノロジーや方向性が見えてきます。具体例を交えて解説し、IoTのビジネスレイヤーに見る2つの可能性を考察します。
IoTのビジネスレイヤーに見る2つの可能性
この視点に立つと、IoTには2つのビジネスの可能性が見えてきます。1つは、IoTというビジネスフレームワークを実現するためのプラットフォームや部品となるソフトウェア/ハードウェアを提供するビジネス。もう1つは、IoTというビジネスフレームワークに基づくアプリケーションサービスの提供です。
前者はデバイスの認証やデータの管理・保管、分析サービスの提供などのプラットフォーム、LPWAなどの通信回線、センサーや組み込みモジュールなどのハードウェアとなります。この場合は、アプリケーション開発やサーズ提供者が顧客となります。
後者は、土木工事の自動化サービスやビル設備管理サービス、ジェットエンジンのレンタルサービスなどとなります。この場合は、自らがサービス事業者となり、顧客はそのサービスの利用者となります。
サービスを開発するビジネス、つまり従来のシステムインテグレーションもビジネスにはなります。しかし、次の点で従来のシステムインテグレーションとは異なります。
- IoTのフレームワークでビジネスを開発するお客さま、つまり事業部門が顧客となること
- これまでにはないビジネスの仕組みを作るわけですから、お客さまの要求通りにシステムを作ることはできず、お客さまと一緒になって、何をするかを考えなければならないこと
- サービスの提供期間を通じて事業環境の変化に臨機応変に対応し、お客さまの事業の成果に直接貢献するための取り組みが必要になること
「うちもIoTで何かできないのか?」――という“天の声”にどのように応えようというのでしょうか。そのあたりから考えてみる必要がありそうです。
著者プロフィール:斎藤昌義
日本IBMで営業として大手電気・電子製造業の顧客を担当。1995年に日本IBMを退職し、次代のITビジネス開発と人材育成を支援するネットコマースを設立。代表取締役に就任し、現在に至る。詳しいプロフィルはこちら。最新テクノロジーやビジネスの動向をまとめたプレゼンテーションデータをロイヤルティーフリーで提供する「ITビジネス・プレゼンテーション・ライブラリー/LiBRA」はこちら。
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