仕事ができないだけじゃない PC機内持ち込み禁止のリスク:半径300メートルのIT(1/2 ページ)
米国政府がノートPCに準じる機器の機内持ちこみ禁止施策を「全ての米国直行便」に拡大する可能性を示唆しています。もしそうなったら、どんな対策をすればいいのでしょうか。
2017年3月、驚きのニュースが流れました。米国政府はアラブ首長国連邦(UAE)やカタール、トルコなどからの直行便に関して、ノートPCの機内持ち込みを禁止したのです。持ち込み禁止の理由は、「ノートPC型の危険物」の持ち込みを防ぐための安全上の理由だとしています。そして2017年5月、米国政府はノートPCに準じる機器の機内持ち込み禁止施策を、「全ての米国直行便」に拡大する可能性を示唆しています。
そのときには当然、日本も含まれるでしょう。出張で米国に向かう際、「ノートPCを機内に持ち込めなければ困る」というビジネスパーソンも多いはず。米政府の施策は、「いきなり明日から実施」ということもあり得るので、そのときに慌てないよう、今回は対策を考えてみたいと思います。
機内持ち込み禁止ならスーツケースに入れればいい?
今回の施策はあくまで「ノートPCの機内への持ち込み禁止」です。米国内に持ち込めないわけではなく、預け入れ荷物(スーツケース)の中に入れればいいということになります。
しかし、問題はスーツケースの取り扱いです。雑に扱われ、放り投げられたとしても文句は言えませんし、保安上、中を開けてチェックされることもあるので、どんなに厳重に梱包(こんぽう)しても、開けられて雑に戻されることだってあり得ます。そう考えると、精密機器の代表格であるPCをスーツケースに入れるのは、リスクでしかありません。仮にスーツケースに入れるにしても、「しっかりと梱包する」ことが必要です。
預け入れのリスクは、損傷だけではありません。壊れるならまだしも、「盗難」に遭う可能性すらあります。企業においては、この盗難こそが一番のリスクといえるでしょう。盗難まではいかなくても、保安検査員があなたのPCを触る可能性だってないとはいえません。こうした場合のリスクを最小限にとどめるための対策も講じておく必要があります。
まずは簡単に利用されないように、「ログインID/パスワードの管理をしておく」、分解してHDDを取り出されてもデータを簡単に盗まれないよう「ディスクの暗号化を行う」、場合によっては念のため「BIOSパスワードを設定する」ことも必要かもしれません。
これからは会社としても、「壊れることくらいは許容する」心構えが必要かもしれません。なんだか、米国出張が面倒くさくなりますね(苦笑)。
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