Ciscoが提唱するAIを活用した「ネットワーク進化論」とは:Weekly Memo(1/2 ページ)
いよいよネットワークにもAIを活用する時代がやって来た。Ciscoがそんな新しいネットワークソリューションを発表した。そのコンセプトとは――。
ITの新たな時代は“ネットワークファースト”に
「“The Network. Intuitive.” すなわち“直感的なネットワーク”。これを新たなコンセプトに、Ciscoはまた一段と進化したネットワークソリューションをお届けしたい」―― シスコシステムズの濱田義之 執行役員 最高技術責任者(CTO)兼イノベーションセンター担当は、同社が先頃開いた新ネットワークソリューションの発表会見でこう強調した。
新ソリューションは米Cisco Systemsが6月下旬に発表したもので、日本法人の会見では国内での展開などを含めて説明が行われた。
この新ソリューションが注目されるのは、これまで世界のネットワーク機器市場をリードしてきたCiscoが、いよいよAI(人工知能)技術を活用した次世代ネットワーク環境を具現化したからである。
濱田氏は新コンセプトに至ったプロセスについて、次のように話し始めた。
「ITにおける時代の進化ではこれまで、PCの普及、インターネットの発展、モバイルデバイスやクラウドの登場といった変遷を遂げてきたが、これからはIoT(Internet of Things)の進展とともに新たな時代がくる。それを支えるのはネットワーク。その意味で、新たな時代はまさしく“ネットワークファースト”が最重要ポイントになる」
だが、現状のネットワークについては負荷が飛躍的に増大し、図1のように「スケール」「複雑さ」「セキュリティ」の面で課題が膨らんでいるという。特に複雑さにおいて濱田氏はこう警鐘を鳴らした。
「ネットワーク運用については、設計、構築、トラブル処理を含めて80%以上が今も手作業で行われている。これまでの時代の変遷におけるネットワークはそれでなんとか支えてきたが、IoTが進展すれば、もはやそうした対応ではとても追い付かず、ネットワークがボトルネックになる可能性が十分にある」
では、新しいネットワークでは何が求められるのか。濱田氏によると、図2のように「継続的に学習」「継続的に適応」「継続的に保護」といったことが行える仕組みが必要になるという。これらが、それぞれ先に述べたスケール、複雑さ、セキュリティの課題に対処する基本的な考え方となるのである。
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