AppleのクックCEO、「トランプ大統領に反対する」全社メール
Appleのティム・クックCEOが従業員宛全社メールで、シャーロッツビル事件に対するドナルド・トランプ米大統領の態度を批判し、人権団体に200万ドル寄付すると語った。
米Appleのティム・クックCEOは8月16日(現地時間)、全従業員に向けたメールで、バージニア州シャーロッツビルで起きた極右団体とその反対派の衝突についてのドナルド・トランプ米大統領のあいまいな態度を批判し、企業として人権団体に200万ドル寄付すると述べた。米ReCodeが入手したメールに基いて報じた。
シャーロッツビルで13日に発生した両派の衝突では、極右の男性が車で反対派の集団に突っ込み、1人が亡くなり、多数が負傷した。この事件についてトランプ大統領が極右側を非難せず、あいまいな態度をとったため、批判が高まっている。
クック氏は「われわれは我が国でのあのような憎悪や偏見を許すべきではないし、それについてあいまいな態度をとるべきではない。(中略)白人至上主義者およびナチと、人権を守るために彼らに立ち向かう人々に道徳的同等性があると考える大統領とその他の人々に反対する」と書いている。
同氏はまた、人権団体の「Southern Poverty Law Center」と「Anti-Defamation League」にそれぞれ100万ドルずつ寄付することも発表した。9月30日までにこれらを含む人権団体に従業員が寄付する場合、Appleがマッチングギフトを実施するとしている。
クック氏はトランプ氏の政策についてこれまでも懸念を表明することはあったが、社内向けとはいえ、ここまではっきり反対を表明したのは初めてだ。
クック氏のメール全文はこちらで読める。
14日には米Intelのブライアン・クルザニッチCEOなど数人が抗議の意思表示としてトランプ氏の助言団体を離脱し、16日にはトランプ氏自ら2つの助言団体の閉鎖を発表した。
【訂正:2017年8月21日18時10分 初出でティム・クックCEOのメールの後半部分が不正確だったため、訂正しました】
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