コレ1枚で分かる「SD-WAN」:即席!3分で分かるITトレンド
事業所の拠点間接続などに柔軟に対応する技術として注目を集めている「SD-WAN(Software-Defined WAN:ソフトウェア定義WAN)」について、その特徴とメリットを解説します。
この連載は
カップめんを待つ間に、電車の待ち時間に、歯磨きしている間に“いまさら聞けない”ITトレンドが分かっちゃう! いまさら聞けないITの最新トレンドやビジネス戦略を、体系的に整理して分かりやすく解説する連載です。「この用語、案外、分かっているようで分かっていないかも」「IT用語を現場の社員にもっと分かりやすく説明できるようになりたい」――。情シスの皆さんのこんな課題を解決します。
- ITと一体化したデジタルビジネスの拡大
- モバイルやIoTへの対応
- デスクトップの仮想化の普及
さらにはパブリッククラウドの利用拡大と相まって、企業が扱うデータ量は伸び続け、ネットワークのトラフィック(通信量)の需要予測を難しくしています。
この状況に対して、これまでの広域ネットワーク(WAN:Wide Area Network)は、専用回線、IP-VPN、インターネットVPN、4G/LTEといった帯域が限定され、サービス品質が固定的なネットワークを使ってきたため、変化への迅速で柔軟な対応ができないという課題を抱えていました。
この状況を変えようというのが、「SD-WAN(Software-Defined WAN)」です。SD-WANは、拠点間をつなぐWANをソフトウェアによって統合、一括管理し、仮想的なネットワークを実現することで、この課題に対応しようとしています。「WANをSDN化したソリューション」とも言え、次のようなメリットが期待できます。
- アプリケーションの違い、モバイルや業務拠点の違い、トラフィック量の違い、VoIPや動画などの低遅延時間をシビアに求められるサービスと、そうではない一般的な業務システムの違いなど、さまざまな状況に応じて最適なWANに自動で切り替え、サービス品質の最適化や回線料金の削減ができる。
- ネットワークの接続方法が異なる複数のパブリッククラウドと、自社所有のシステムを連携させて利用する場合のネットワークを一元的に管理できる。
- 分かりやすいGUI(Graphical User Interface)でネットワークの状況を把握できるようにし、設定変更も容易に行えるため、ネットワーク機器設定の知識を持たない人でも仮想ネットワークを構築、運用できる。
ユーザー企業がSD-WANのソリューションを利用するには、Juniper NetworksやBroadcomなどのSD-WAN機能を持つ製品を利用することで独自に構築する方法と、ViptelaやVelocloud NetworksなどのSD-WAN機能を備えたクラウドサービスを利用する方法があります。
著者プロフィール:斎藤昌義
日本IBMで営業として大手電気・電子製造業の顧客を担当。1995年に日本IBMを退職し、次代のITビジネス開発と人材育成を支援するネットコマースを設立。代表取締役に就任し、現在に至る。詳しいプロフィールはこちら。最新テクノロジーやビジネスの動向をまとめたプレゼンテーションデータをロイヤルティーフリーで提供する「ITビジネス・プレゼンテーション・ライブラリー/LiBRA」はこちら。
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