Dell EMCが作った同人誌「ひとり情シス」を、ホンモノのひとり情シスに見てもらった件:週末エンプラこぼれ話(2/2 ページ)
デルの執行役員である清水博氏が、1人で作り上げた小冊子「ひとり情シス」。まるで同人誌のような見た目だが、全120ページの中身は“ガチ”だ。
ひとり情シス「イシノ」が読んだ感想は……?
――お忙しいところ本当にすみません。現役のひとり情シスとして、本書を読んでみていかがでしたか?
イシノ: いや、最近2人に増えたけどね。読んでみて、あらためて別にみんな、1人でやりたくて「ひとり情シス」をやってるわけじゃないんだって思った。なんか悲観的な見出しが多かったから(笑)。
コストセンターだけどいないと困る。だから最低限のリソースになってしまうと思うんだ。人は高いからさ……(天を仰ぐ)。一応、仕事として回りはするんだけど、バッファがないから、リスクに対応できない。これは情シスじゃなくても言えることだとは思うんだけどね。
――なんか少し涙が出そうになりました。
イシノ: 冊子の中で挙げられている例を見ると、僕が新卒だった20年前くらいと問題が何も変わっていないことを実感する。ITは相当進化したのに、ユーザーから言われることは何も変わっていないのは、ある意味では不思議なことだよね。
情シスが少人数でもうまく回っているところって、社員全体の人数も少ないか、ユーザーのリテラシーがとても高いかのどちらかだと思う。実際のところ。
――特に共感した場所とかありますか?
イシノ: 「IT人材を採用する難しさ」という章は、確かにそう思った。ウチも最近採用したから思うけど、情シスに求められるスキルって、総務とSIを足したような多岐にわたるものなんだけど、広い範囲の業務が求められる割に、SIのエンジニアの方が給料が高い傾向にある。会社によると思うけどね。
僕自身もSIから転職してきたから分かるんだけど、業務が企業のビジネスに大きく依存するから、入社前の状態ではやるべきことが分かりにくい。採用時に使っている言葉も、会社によって意味するところが違うことも多いし、なかなか転職しようと思っても、動きにくいんじゃないかと思うよ。
――全体を通して内容はいかがでした?
イシノ: ひとり情シスの問題は、人数が少ないからこそ起こることと、人数が多くても起こる普遍的なことが混ざり合うから、難しい部分があるよね。後半は話のレベル感が大きくなるから、「偉い人が書いた感」があるけど、それでも、よくこの内容でこれだけのことを書いたと思うよ(笑)。
イシノも共感した(?)同人誌「ひとり情シス」。ただでさえ忙しいひとり情シスが本書を最後まで読むのは難しいかもしれないが、幸運にも手に入れることができたら、ぜひ読んでみてほしい。現在のところは未完で非売品だが、いつか完成して発売する日が来るのだろうか。
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