全てのOSSテクノロジーをAzure上で 加速するMicrosoftのオープンソース戦略:Microsoft Focus(2/3 ページ)
Microsoftとオープンソースソフトウェア(OSS)の距離が急速に近づいている。デジタル変革を目指す企業の支援策としてオープンソース戦略を加速させるMicrosoftの狙いとは。
全てのOSSテクノロジーを“Microsoftプラットフォーム”で
そして、米ニューヨークで2017年11月15日から開催された開発者向けイベント「Microsoft Connect(); 2017」では、MicrosoftによるOSSへの対応がさらに加速していることを裏付ける発表が相次いだ。
例えば、AzureのRDBMSでは、「MySQL」から派生した「MariaDB」に対応。「Azure Cosmos DB」では、NoSQLデータベース「Apache Cassandra」のAPIを新たにサポート。また、「Azure HDInsight」による「Apache Hadoop」「Apache Spark」の利用に加えて、「Azure Databricks」によって「Apach Spark」にも対応した。「全てのOSSテクノロジーを、Microsoftの製品プラットフォームの上で活用できるようになる」というわけだ。
もちろん、OSS全体からみれば、Microsoftのクラウドプラットフォームの利用比率はまだ低い。だが、「機械学習やコグニティブでは、Microsoftが強みを発揮できる部分である。他社のパブリッククラウドベンダーよりも高い価値を提供できると自負している。これは、今後の差別化点として強調していきたい部分だ」とする。
Microsoftは、コグニティブサービスにおいて多くの開発者がより簡単にAIを利用できるようにするために、数行のコードを追加するだけで済むようにAPIを提供したり、使い慣れた言語を選択して利用できるようにしたりといった環境を整備。また、「マイクロソフトリサーチ(MSR)」や「Bing」「Azure Machine Learning」の専門家がナレッジを利用し、サービスを構築している。豊富なドキュメンテーションやサンプルコード、コミュニティーでサポートする体制も整えており、これによって、OSSの開発者がコグニティブサービスを利用しやすくしていることを強調する。
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