三井住友銀行が金融向けストレステストを導入 経営管理の高度化目指す
三井住友銀行が、SASの金融向けストレステストソリューションを導入。リスクシナリオの分析を活用したRAFの高度化と経営体制の強化を目指す。
三井住友銀行(SMBC)が、SAS Institute Japan(SAS)の金融向けストレステストソリューション「SAS Stress Testing」を採用した。経営管理の取り組みにおけるリスクアペタイトフレームワーク(RAF)の高度化を目指すという。
SASのストレステストソリューションは、さまざまな規制シナリオや経済シナリオに対して迅速かつ効果的に対処するための環境構築を支援するもの。
SMBCでは、これまでも業務運営に影響を与えうるさまざまなストレス事象を想定したストレステストを実施しており、グループベースでの財務影響を分析、把握した上で、ストレスイベントが顕在化したときの対応をあらかじめ検討するなど、リスク管理の高度化に取り組んできた。
今回、従来の取り組みに加え、より定量的な分析によってRAFの実効性を向上させ、信頼性の高い分析結果を経営層と現場部門で共有して連携を強化することを目指し、SAS Stress Testingの導入を決定した。
将来にどのような不確実性が想定され、収益構造がどのように頑健でいられるかなど、さまざまな計画に対して複数のシナリオ下での状況を高度に分析し、各種国際金融規制とそれに関連する経営管理の高度化を図るとしている。
欧米の金融機関では、リスクシナリオが経営に与える影響を捕捉し、業務方針を決定、修正するためのストレステストや、米国連邦準備制度(FRB)や欧州銀行監督機構(EBA)から定期的に要請される経営の健全性を確認するためのストレステストを実施しているという。日本国内でも、金融機関で高度化を進めているRAFの中で活用するためのストレステストの取り組みが進められている。
関連記事
- 「フリック操作で認証」のバンキングサービス、三井住友銀行が邦銀で初導入へ
スマホ画面のフリック操作でインターネットバンキング利用時の認証ができる仕組みを法人向けに提供する。 - 三井住友銀行、セキュリティ人材の育成でNECらと協業
サイバー攻撃への対応能力を高め、NECは人材育成ノウハウを金融機関向け展開する。 - 脱パスワードへ、三井住友銀行らが本格検討に着手
複数の生体認証を活用した「本人認証プラットフォーム」を構築し、エンドユーザーがIDやパスワードを管理しなくて済む仕組みを実現するという。 - 三井住友信託銀行、タブレット端末を活用した新外訪支援システムを導入
三井住友信託銀行は、取引の受け付けから社内システムと連動した承認・実行までをタブレット端末上で行える、外訪支援システムを新たに導入した。顧客の記入負担の軽減や事務効率化を実現し、営業力の強化を図る。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.