ハイブリッドクラウドを支える「ハイパーコンバージドシステム」の選び方:Weekly Memo(1/2 ページ)
企業のITシステムにおいてハイブリッドクラウドの需要が高まるにつれ、それを支えるハイパーコンバージドシステムに注目が集まっている。果たしてユーザーから見てどう選べばよいのか。
レノボと日商エレクトロニクスがAzure Stack製品で協業
「最近になって、お客さまからハイパーコンバージドシステムへの引き合いが急増している」――レノボ・エンタープライズ・ソリューションズのロバート・スティーブンソン社長は、同社と日商エレクトロニクスが12月7日に開いたハイパーコンバージドシステムをベースとした協業についての発表会見でこう語った。
両社がこの日発表したのは、Microsoftのパブリッククラウドサービス「Azure」の機能をオンプレミスで利用できる基盤ソフトウェア「Azure Stack」を搭載したハイパーコンバージドシステムと各種サービスによるハイブリッドクラウドソリューションである。
左から、レノボ・エンタープライズ・ソリューションズのロバート・スティーブンソン社長、同社アライアンス&ビジネス開発部の星雅貴部長、日商エレクトロニクスITプラットフォーム事業本部の坂井俊朗 執行役員事業本部長、榎本瑞樹 副事業本部長
その詳細な内容については関連記事をご覧いただきたい。また、Azure Stackについては2017年12月4日掲載の本コラム「構想7年、Azure Stackの本格展開でMicrosoftのクラウド戦略はどう変わるのか」で解説しているので参照いただくとして、ここではハイブリッドクラウドを支えるハイパーコンバージドシステムに注目したい。
ハイパーコンバージドシステムがハイブリッドクラウドを支えているのは、パブリッククラウドの利用における課題がここにきて浮き彫りになってきたからだ。説明に立ったレノボ・エンタープライズ・ソリューションズ アライアンス&ビジネス開発部の星雅貴部長によると、その課題は図1に示すように「データの持ち出し」「運用管理」「ネットワーク」の3つの領域で挙げられ、「これらの課題を解く1つの答えが、Azure Stackを用いたハイブリッドクラウドだ」と強調した。(図2参照)
ただ、言い換えると、これらの課題を解く答えは、他のハイパーコンバージドシステムを用いたハイブリッドクラウドでも当てはまる。その代表格が、ハイパーコンバージドインフラ分野の草分け的存在であるNutanixの製品だ。
同社はハイパーコンバージドシステム向けに、今では「Nutanix Enterprise Cloud OS」と呼ぶ基盤ソフトウェアを2011年から自社のシステム製品とともに提供している。同社が注目されるようになった背景については、2015年11月2日掲載の本コラム「進化する統合型システムの正体」で解説しているので参照いただきたい。
関連記事
- 「Weekly Memo」記事一覧
- レノボ、「脱・ハードウェア依存」へ ユニアデックスと協業
2017年のエンタープライズ事業ではポートフォリオの拡大を掲げる。サービス関連ではユニアデックスと協業し、オンサイトのシステム構築に乗り出す。 - IoTで無人搬送車の運行状況を可視化、復旧作業の工数を50%削減――トヨタ自動車
トヨタ自動車の元町工場は、IoTで無人搬送車の無人搬送車の運行状況を可視化する「GeoMation 屋内位置把握ソリューション」を導入。復旧作業にかかる工数を50%削減した。 - レノボが日商エレと協業、Azure Stackによるハイブリッドクラウドを共同展開
レノボ・エンタープライズ・ソリューションズと日商エレクトロニクスが、ハイブリッドクラウド・ソリューション事業の拡大にむけて協業する。 - 構想7年、「Azure Stack」の本格展開でMicrosoftのクラウド戦略はどう変わるのか
Microsoftが、自社パブリッククラウドの機能をオンプレミスで利用できる「Azure Stack」を日本で本格展開し始めた。実は、この新製品が実現するまでには、およそ7年にわたるシナリオがある。本コラムの記録を基にそれを解き明かしたい。 - 進化する「統合型システム」の正体
ハードウェアとソフトウェアを一体化させた「統合型システム」が新たな進化を遂げつつある。キーワードは「インビジブル・インフラストラクチャ」。その正体とは――。 - これから、クラウドビジネスでどう戦っていくのか
AWSとMicrosoft Azureがクラウド市場を席巻しつつあるといわれるいま、これからのクラウドビジネスに求められる視点とは? 予測される市場の変化を考察しながら、キーポイントをまとめます。 - 知らないと損をするNVMeの3つの実装方法とメリット/デメリット
ストレージプロトコルのパフォーマンスの問題を解決するために生み出された新しいプロトコルがNVMeだ。これを利用するための具体的な実装方法は3つある。どれを選ぶべきなのか。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.