Twitter、暴力・嫌がらせ・ヘイトに関する新ルールの適用開始
Twitterが、サービス上の暴力や嫌がらせを減らす取り組みの一環として、永久凍結の対象拡大などの新ルールの適用を開始した。
米Twitterは12月18日(現地時間)、10月に発表したスケジュールに沿って、サービス上の暴力や嫌がらせを減らすための新ルール適用開始を発表した。
暴力や身体的危害についての新ルール
Twitterルールの「攻撃的な行為」の「暴力および身体的危害」項目で、新たに以下のようなコンテンツを対象とする。
目的のために民間人に対し暴力を向ける組織に属すアカウント
政治的、宗教的、社会的な目的を前進させるための手段として暴力行為を奨励する特定のグループなど、暴力的な過激派組織によるTwitterサービスの利用を禁じる。
こうしたアカウントは永久凍結になる。
ただし、改革を行っている団体、平和的な解決に向けた手続きに現在関与している団体、民主的な選挙により公職に選出された代表者のいる団体については、例外が考慮される。また、軍または政府には適用されない。
例えば、ドナルド・トランプ米大統領は「民主的な選挙により公職に選出された代表者」なので、例外として考慮されることになる。
脅迫行為と暴力の賛美
脅迫行為とは、第三者に対する殺人または傷害の意図をはっきり表明すること。暴力の賛美とは、他者の暴力行為(大量殺人、テロ行為、性的暴行など)を賞賛する行為。ただし、戦争行為、武力行為、国家公認の処刑、自然災害はこのポリシーに含まれない。
脅迫行為を投稿したと判明したアカウントは永久凍結、暴力の賛美については、程度や違反歴によって措置が異なる。
(該当項目)
暴言や脅迫、差別的言動に関するルールの適用範囲拡大
暴言や脅迫、差別的言動に対するTwitterのポリシーやルールの適用範囲を拡大する。
攻撃的なユーザー名、表示名、プロフィールの自己紹介
これらのコンテンツで個人、グループ、非公開アカウントカテゴリーを標的とする脅迫行為、差別や中傷、人権侵害などに当たる表現を使うアカウントを措置対象にする。
最初の違反で永久凍結になる。最初の凍結では、問題となっている表現を削除すればアカウントを再度使えるようになる。
(該当項目)
ヘイト表現を伴うロゴやシンボルの使用
ヘイト表現を伴う画像とは、人種、宗教、障害、性的指向、民族/出身地を理由に他者に対して敵意や悪意を増幅させることを目的とするロゴ、シンボル、画像を指す。ナチスのハーケンクロイツ(かぎ十字)や、画像編集アプリで“人間以下として”加工した他者の画像など。
ツイートにルールに違反する画像が含まれる場合、画像はタイムライン上で非表示になる(クリックすれば表示できる)。ライブ、ヘッダー、プロフィール画像に違反画像がある場合は、ポリシー違反として処分対象になる。初違反の場合は画像を削除すればアカウントは保持できる。その後は永久凍結の対象になる。
(当該項目)
いずれの場合も、アカウントが誤って凍結されたと思われる場合は異議申し立ての提出が可能だ。
強制的対応の適用レベルと適用範囲については、ヘルプセンターに説明がある。
関連記事
- Twitter、“ヒューマンエラー”でNew York Timesアカウントをロック
Twitterが、New York Timesの「トルドー首相が先住民に謝罪」という記事のツイートが「ヘイト行為」を禁じるポリシーに反するとして同メディアの公式アカウントをロック(一時的制限)したが、これが担当者によるミスだったとして謝罪した。 - Twitter、“青バッジ”のガイドライン変更で差別主義者のバッジを剥奪
Twitterが、本人であることを示す青いバッジをアカウントに与える「認証済みアカウント」がTwitterがそのユーザーを認めていることだと見なす“誤解”に対処するため、ガイドラインを変更し、本人であってもTwitterルールに反する行為があるとバッジを剥奪するようになった。 - 改訂版「Twitterルール」公開 自殺助長や暴力など「何がダメか」をより具体的に説明
Twitterが10月の予告通り、「Twitterルール」を大幅改定した。自殺助長など、どのような行為が違反として強制措置対象になるのかが従来より明確になった。また、強制措置の内容についても以前よりは具体的になった。 - Twitter、同意のないヌードなどのコンテンツ投稿対策の詳細を説明
Twitterが、ポリシーで禁じている被写体の同意なく撮影されたコンテンツの投稿について、どのようなコンテンツが禁止対象で、どう措置するのかの説明を「ヘルプセンター」に追加した。 - Twitter、アカウント凍結や嫌がらせ対策の今後のスケジュールを公開
Twitterが、嫌がらせ放置や行き過ぎたアカウント規制に対する批判を受け、今後の対策スケジュールを公開した。停止したアカウントの異議申し立て対応などを改善していくとしている。 - Twitter、「サービス利用規約」を10月2日に改定へ コンテンツ削除やアカウント停止関連の文言を変更
Twitterが10月2日に新しい「サービス利用規約」を発効する。現行規約と比較してみた。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.