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三井住友海上、Watsonを活用した問い合わせ対応支援システムを導入
三井住友海上火災保険は、コールセンターなどの問い合わせ対応にAIを活用したサポートシステムを導入。新システムにより、対応時間の短縮と顧客対応の品質向上を目指す。
三井住友海上火災保険は、コールセンターや全国の拠点での問い合わせ対応に、AI(人工知能)技術を活用したサポートシステムを導入した。
同システムでは、オペレーターが顧客や代理店からの問い合わせ内容をPCで文章入力して検索すると質問内容が分析、解釈されて、あらかじめ機械学習した1万件を超えるマニュアルなどからの回答候補が一覧表示される。
新システムは、ビッグデータ分析ツール「IBM Watson Explorer」と日本語解析技術の1つ「Similarity Search(類似文書検索エンジン)」を活用して構築。自然言語による質問や対話に基づいて自ら判断し、あらかじめ学習した情報からタイムリーに的確な回答を導き出す。学習機能も備えており、経験を重ねることで回答精度を高めていく。
また、コールセンターには音声認識技術も導入し、顧客とオペレーターがやりとりする音声から自動的に回答候補を抽出できるようにした。
同社は、新システムにより、問い合わせ対応に要する時間の短縮と回答内容の均質化を図り、迅速かつ高品質な顧客対応の実現を目指す。自動車保険、火災保険、傷害保険、新種保険などの保険業務を対象に、代理店を含む全店のコールセンターに導入する予定。一部の代理店には、2017年10月23日から顧客問い合わせに同システムを活用しているという。
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