Cygamesとガイアックスが明かす、「リアル」な働き方改革の現場:「俺たちの情シス Special」レポート(前編)(4/5 ページ)
「働き方改革」という言葉が一般的に言葉になりつつあるが、本質的な解決に至っている企業はほんのわずか。どうすれば人が働きやすくなるのか――編集部が開催したカンファレンスで、Cygamesとガイアックスの両社に、その取り組みを語ってもらいました。
会社として「テレワーク」をどう捉えるか?
池田: Cygamesでは効率化していく中で、どういう成果がありましたか?
星野: 現場から、「ここを効率化したい」という声が上がってきているところです。例えば、弊社ではiPhoneやAndroid端末など、開発・検証用の端末が約6000台あり、毎月棚卸しをExcelで管理していましたが、これをデータベース化しようと取り組んでいます。業務時間短縮のシステムを導入することで、スタッフ1人ひとりから「どうやって効率化しようか」という話が出てきているのを感じますね。
池田: 両社とも、テレワークなどの働き方も増えてきていますか?
星野: デザイナーの場合、PC環境がかなりハイスペックになるので、テレワークやフリーアドレスは合わない部分もあります。タワー型のデスクトップと20キロ以上あるタブレットが置かれた基地みたいな状態で、それを動かすのは現実的ではない。スタッフ自身も、会社がそれだけの環境を用意しているので、会社の環境で仕事をしたいと思う人が多いです。
もう1つ、業務上のことですが、ゲーム開発は、どうしても仕様書に落とし込めない要素が多くなるので、対面でコミュニケーションを取りながら進めていく方がスムーズに進むことが多いという事情もありますね。
池田: なるほど、最もパフォーマンスを上げられる環境が会社にしか作れないということですね。それは納得です。
岡本: 弊社の場合は女性が3〜4割、その半分は既婚者です。働くママが結構いることもあり、希望があれば、自宅で仕事をすることも可能です。星野さんの言う通り、デザイナーの場合、作業にハイスペックなPC環境が必要ですが、弊社ではデスクトップごと郵送で送りますね。先ほども話しましたが、これもビジネスとして成り立たせるためです。
池田: 郵送ですか! それはすごいですね(笑)。
岡本: テレワークの大きなメリットは、通勤時間のロスを削減できることです。そして、いつでもどこでも、その場に応じて、必要なときにアウトプットを出せるというところ。生産性は上がるし、コストの削減につながります。実は今、営業職でも、会社に来なくても仕事ができるようにしていますが、PCを提供できる社員は、契約書を結んでいるか、仕事に必要なのかといった点で私たちが精査しています。決して、信頼ベースでは渡していません。
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