電力料金プランや使用料見積もりをLINE botで問い合わせ――オカモトとNECが共同実証へ
北海道全域と東北地方に電力供給を行うオカモトは、NECソリューションイノベータと共同で、「LINE」とチャットbotを組み合わせた問い合わせツールの精度や有効性についての実証実験を行う。
小売電気事業者のオカモトとNECソリューションイノベータは2018年1月16日、北海道エリアの消費者を対象に、電力料金プランの提示や電力使用に関する質問に自動で回答するツールの有効性を検証する実証実験を行うと発表した。
同ツールを利用して、電気事業者が発行する電力使用料の伝票をスマートフォンで撮影し、オカモトのLINE@アカウントに送信すると、より安価な料金プランを自動で提示する。また、質問を書き込めば、自動で回答する。
同ツールは、コミュニケーションツール「LINE」と、自然言語処理技術を搭載したAI(人工知能)で自動応答を行うチャットbotを組み合わせて開発。電力使用料の伝票画像の読み取りには、光学文字認識(OCR)技術を活用している。
実施期間は、2018年1月25日から3月30日まで。実証実験を通して、消費者からの疑問に対する自動応答の精度や、電力使用料の紙伝票画像の読み取り精度、同ツールを通じたオカモトの電力小売りサービス「オカモトのでんき(オカでん)」へのWeb申し込みの流れなどを検証する。
実証実験の背景には、2016年4月から国内の電力小売り事業が自由化され、電力の供給元やサービスを選択できるようになったことがある。離島を除く北海道全域と東北地方に電力供給を行うオカモトは、消費者が手軽に電力小売りの比較検討や疑問点の解消を行える手段を模索していたことから、今回の実証実験に至ったという。
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