ポケモンのLINEアカウントが“りんなベース”のAI導入 開発に約3カ月
ポケモン社が日本マイクロソフトのAI「りんな」をベースにしたAIを導入。ポケモンと実際に話しているかのような感覚を楽しめる、チャットボットをスタートした。
10月26日、ポケモン社の公式LINEアカウントにAIを導入したと日本マイクロソフトが発表した。LINEで話しかけると、ポケモンキャラクターの「ロトム」が即座に返信してくれるという。システムは日本マイクロソフトのAI「りんな」をベースにしており、会話をしたり、ポケモンの名前を使ったしりとりなどを行える。
AIのロトムは「りんな」で培われた技術や、同社の研究開発組織「Microsoft Research」で開発した技術を活用することで、会話への返答をリアルタイムで生成しているという。ポケモンに関する会話では、Web上のデータに加えて、800種類以上のポケモン公式図鑑データや、ユーザー間のオンラインバトルデータを利用しており、システムはMicrosoft Azure上で稼働している。
LINEでの会話を分析してユーザーの“会話力”を診断する機能や、ポケモンの紹介をする機能も実装。りんなと同じく、「文脈をある程度踏まえ、会話を楽しめるようなチューニングをしている」(日本マイクロソフト)という。ユーザーとの会話データを蓄積することで、さらに学習していくそうだ。
ポケモン社によると、「約1年前から、ポケモンと日本マイクロソフトの両社でプロジェクトを進める構想はあったが、2017年11月17日に発売するゲーム『ポケットモンスター ウルトラサン・ウルトラムーン』の発売が決まったことで、連動企画が実現した」という。システム開発に要した期間は約3カ月で、ポケモン「ロトム」と話す感覚を再現することに力を入れたとのことだ。
編集部でも、ロトムに「調子はどう?」と聞いたところ「が、頑張るロト……」と返してくれた。アクセスが集中しているのか、少々お疲れのようだ。実施期間は、10月26日から2018年1月31日を予定している。
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