Intel、脆弱性対策パッチによるリブート増加問題やパフォーマンスへの影響について説明
「Meltdown」「Spectre」と呼ばれるCPUの脆弱性の対策パッチによってリブートが増加する問題や、サーバのパフォーマンスに及ぼす影響を調べたベンチマークの結果について報告した。
米Intelは1月17日、「Meltdown」「Spectre」と呼ばれるCPUの脆弱性について、対策のためのファームウェアアップデートを適用後にリブートの回数が増える現象が、「Skylake」「Kaby Lake」(開発コード名、以下同)などのCPUでも確認されたことを明らかにした。また、サーバのパフォーマンスに及ぼす影響を調べたベンチマークの結果も新たに公表した。
Intelによると、これまでに、過去5年の間に導入されたIntel製CPUの90%に対して脆弱性の影響を緩和するためのファームウェアアップデートをリリースした。しかし「Broadwell」と「Haswell」では、アップデートを適用後にリブートの回数が増える問題が確認されていた。
今回はこれに加えて、「Ivy Bridge」「Sandy Bridge」「Skylake」「Kaby Lake」の各CPUを搭載したマシンでも、同じ現象が確認された。同社はこの問題について、「根本原因の究明に向けて進展しつつある」と報告している。
一方、緩和策の影響を調べるベンチマークテストは、前回のクライアントマシンに続いて、今回は2ソケットのXeon Scalable(コードネームSkylake)を搭載したサーバで実施した。
その結果、パフォーマンスへの影響は、ワークロードや構成によって幅があったが、全般的には多数のユーザーやカーネル特権の変更を伴い、特権モードに長時間を費やすワークロードへの影響が大きいことが分かった。
サーバサイドJavaやエネルギー効率については影響は見られなかった一方、オンライントランザクション処理(OLTP)のベンチマークでは4%の影響が確認された。
ストレージ関連では、システム構成などによって幅があるものの、場合によっては18%〜25%の影響が出るケースもあった。詳しいベンチマーク結果は専用サイトで公表している。
関連記事
- 脆弱性対策パッチで6〜8%のパフォーマンス低下 Intelがベンチマーク公表
「Meltdown」「Spectre」と呼ばれるCPUの脆弱性の対策パッチがパフォーマンス与える影響について、第6〜第8世代の「Core」プロセッサとWindows 10を搭載したマシンのベンチマーク結果を公表した。 - Intelの一部CPU搭載マシン、脆弱性対策パッチ適用でリブート増加
CPUの脆弱性対策パッチを適用した後に、IntelのCPU「Broadwell」および「Haswell」を搭載したマシンで、リブートの回数が増える現象が報告された。 - プロセッサの脆弱性、Microsoftの対策パッチでパフォーマンス大幅低下も
Microsoftによると、2015年代以前のプロセッサを搭載したPCや、Windows Serverでは、対策パッチを適用すると、パフォーマンスに相当な影響が出ることが分かった。 - プロセッサ脆弱性「Meltdown」と「Spectre」のまとめサイト開設
Intelが「他社のプロセッサも影響する」と発表したプロセッサの重大な脆弱性「Meltdown」と「Spectre」についての情報がまとまったWebサイトを、これらの脆弱性を発見したグラーツ工科大学が開設した。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.