メディア王マードック氏、「Facebookは信頼できるメディアに金を払うべき」と苦言
Wall Street JournalやFox Newsを傘下に持つNews Corp.の経営者、ルパート・マードック氏が、「Facebookは“信頼できるメディア”をランク付けするなら金を払うべきだ」と語った。
メディアコングロマリットNews Corp.を経営するルパート・マードック氏(86)は1月22日(現地時間)、「信頼できるメディアへの掲載料について」と題する声明文を発表した。
「FacebookやGoogleは自分たちには利益をもたらすが信頼できないアルゴリズムを通じて虚偽ニュースを拡散してきた。過ちに気づいたことは解決への第一歩ではあるが、両社が示した解決案は商業的にも社会的にも報道的にも不十分だ」とマードック氏。
虚偽ニュースの拡散とは、2016年大統領選での問題を指しているようだ。GoogleとFacebookは、それぞれに対策を打ち出している。
「われわれはFacebookの新戦略について検討するし、私はマーク・ザッカーバーグCEOが誠実な人間であると確信してはいるが、これらのプラットフォームにはメディアを不安にさせる透明性の欠如がある。(中略)Facebookは、“信頼できるメディア”をランク付けしたいなら、CATV企業がコンテンツ企業に支払うのと同様に、メディアに対して料金を支払うべきだ。メディアはニュースを提供することでFacebookの価値と品位を明らかに高めているにもかかわらず、その見返りは得ていない。使用料の支払いはFacebookにとっては大した負担にはならないが、メディアやジャーナリストにとっては大きな影響がある」と語った。
Facebookは最近、虚偽ニュース対策の一環として、ユーザーによる“信頼できるメディア”のランク付けをニュースフィードに表示するアルゴリズムに反映させると発表。また、それとは別に、メディアからの投稿の表示ランクを友達からの投稿より下げることも発表した。
マードック氏率いるNews Corp.は、Wall Street Journal、Fox News、New York Postなどの大手メディアを擁している。
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