AI時代に最も求められるスキルは:Weekly Memo(1/2 ページ)
ビジネスパーソンはAIやロボット技術にどのような期待や不安を抱いているのか。AI時代に求められるスキルとは何か――。日本能率協会の最新調査を基に考察してみたい。
男女で分かれたAI・ロボット技術への期待度
日本能率協会が先頃、ビジネスパーソンを対象にAIやロボット技術への期待や不安、AI時代に求められるスキルを聞いた調査結果を公表した。それによると、期待と不安が拮抗しており、求められるスキルとして人間同士の「コミュニケーション力」を挙げる声が目立った。
それぞれにグラフを示しながら見ていくとともに、筆者の見解を最後に述べておきたい。
「ビジネスパーソン1000人調査/AI・ロボット編」と題したこの調査は、2017年9月から10月にかけての10日間、全国の20〜69歳までの正規・非正規雇用の就業者1000人からインターネットを通じて回答を得た。
まず、AI・ロボット技術への期待については、男女を合わせた全体として、「とても期待している」13.3%と「やや期待している」34.8%の合計が48.1%、「あまり期待していない」39.8%と「まったく期待していない」12.1%の合計が51.9%となり、期待していない人が期待している人をやや上回る結果となった。
図1が、その性別および年代別の割合を示している。性別でみると、「期待している」と回答した人は、男性が53.0%、女性が42.1%と、10ポイント以上の差が見られた。
また、年代別でみると、20、60代は「期待している」が過半数であるのに対し、30、40、50代は「期待している」が半数に達していないとの結果が明らかになった。
では、具体的にどのような期待を抱いているのか。仕事面では図2に示すように、「仕事の効率化が進む」が全体で30.7%と最も高く、以下、「省力化・省人化が進む」28.0%、「ヒューマンエラーを解消し、品質が向上する」23.7%などと続いた。
また、日常生活面では、「自動運転により、移動がより安全で便利になる」が全体で37.8%と4割近くを占め、以下、「家電製品のAI・ロボット化が進み、家事負担が減る」30.1%、「AIによる医療診断、ロボット手術など医療がより発達する」29.8%、「監視カメラと顔照合システムによる犯罪予防や捜査支援が可能になる」26.8%などと続いた。
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