Facebook、「電話とSMSの履歴をユーザーに無断で収集」報道を否定
FacebookがAndroid版「Facebook Messenger」と「Facebook Lite」で、ユーザーの通話とSMSの履歴をユーザーに無断で収集しているという報道を否定した。収集はしているがユーザーはそれに同意していると説明した。
米Facebookは3月25日(現地時間)、同社が「Facebook Messenger」および「Facebook Lite」のAndroid版で、ユーザーの了承なしに電話とSMSの履歴などのメタデータと、場合によっては内容を収集していたというメディアの報道を否定する声明文を発表した。
米Ars Technicaのショーン・ギャラガー記者は同日、ユーザーからの報告と自身のアカウントでの検証に基づいて、Facebookが保存しているデータにAndroid端末での通話とSMSの履歴が含まれていたと報じた。Androidの古いAPIを使った旧バージョンのFacebookアプリでは通話やSMSの内容も保存していたという。
Facebookには、自分のどのような情報をFacebookが収集しているかを確認できる「情報をダウンロード」という機能があり、ギャラガー氏はこれを使って確認した。
Facebookは、「通話とSMSの履歴保存機能はMessengerとFacebook Liteでのオプトイン(初期設定では無効で、ユーザーが自分で有効にする)機能だと主張する。
確かに、これらのアプリをインストールしようとすると、右のような画面が表示され、インストールするにはこれらすべてについて同意するよう求められる。
この中の「連絡先」「SMS」「電話」へのアクセスに同意すれば、通話履歴が収集されることが明記されている。
実際にはインストールの過程で連絡先の同期を拒否することはできるが、非常に困難だ。
Facebookは、連絡先の同期は設定で無効にできると説明し、また、同社は収集したデータを第三者に売却したことはなく、通話とSMSのコンテンツを収集したこともないと主張した。
同社は立ち上げ当初から一貫して、Facebookのミッションは人々をつなげることだとしており、連絡先の収集もそのために役立つとインストールの過程で説明する。
Facebookは収集データを第三者に販売していないのだろうが、第三者が開発したアプリで収集したこれらのデータをさらに外部に売却したことを阻止できなかった。これについては同社も責任を認めている。
同社のプライバシー保護について、米連邦取引委員会(FTC)の消費者保護局は26日、調査中であると発表した。
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