Facebook、ユーザー情報管理の改善策を数週間中に実施へ
ユーザー情報の不正流用問題の渦中にあるFacebookが、ユーザーが自分の情報がどう使われているのかを把握しやすくするための対策を発表した。
米Facebookは3月28日(現地時間)、17日に発覚した約5000万人の個人データ不正流出問題を受けて21日に発表したポリシー強化やサードパーティーアプリの規制に加え、ユーザーの個人情報管理方法も改善すると発表した。向う数週間中に主にモバイルアプリのUI変更として実施する。
21日の発表後、「プライバシー設定などの重要なツールが見つけにくいというフィードバックが多かった」という。今回の改善のほとんどは、既にある機能を見つけやすくするものだ。
モバイルアプリでの個人情報設定を1カ所にまとめる
現在「アカウント設定」や「プライバシーセンター」、「アプリの設定」など、約20カ所に分散している個人情報関連の設定を1カ所にまとめる。
また、規制前にサードパーティー製Facebookアプリが収集していた個人情報についての設定を非表示にする。「これで、アプリが収集できる個人情報が何かが明確になる」としている。
「プライバシーセンター」メニューの追加
プライバシー、セキュリティ、広告に関する情報をもっと見つけやすくすべきだというフィードバックを受け、「Privacy Shortcut」(日本では「プライバシーセンター」)を追加する。このメニューで、ユーザーは数タップで個人データを管理できるという。
このメニューから、二段階認証などのアカウント保護設定、投稿や「いいね!」の履歴を確認し、削除する機能、広告のためにFacebookに提供する個人情報の設定変更機能、自分の投稿を誰に表示するかを管理する機能にアクセスできる。これらの機能は既存のもので、プライバシーショートカットはそれらにアクセスしやすくするものだ。
Facebook上の自分のデータをダウンロード・削除するツール
Facebookでは以前から「情報をダウンロード」という機能でFacebookに提供した自分の個人情報をダウンロードできるが、新たに「Access Your Information」(日本では「個人データ管理ツール」)という個人情報管理ツールを提供することで、ダウンロードするだけでなく、投稿やプロフィールを削除しやすくする。
データを他のサービスに移行することも可能にするという(具体的な移行先や方法については説明がない)。
同社はまた、透明性向上のためにサービス規約とデータに関するポリシーを改定すると発表した。こちらも向う数週間中に実施する計画だ。
【UPDATE】記事掲載後、日本語での説明が公開されたため、日本でのサービスの名称を追加し、一部画像を差し替えました。
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