DXの遅れを可視化し、打ち手をアドバイス MSが乗り出す戦略的支援とは:Microsoft Focus(2/2 ページ)
DX(デジタルトランスフォーメーション)への取り組みが遅れているといわれる日本で、MSが戦略的DX支援に乗り出した。どんなサービスを提供するのか。
デジタルアドバイザーの配備で顧客の戦略的DXを支援
日本マイクロソフトでは、デジタルマチュリティモデルを基にしたアセスメントを実施している。
ここでは、個別の企業が置かれた現在のレベルと組織能力の分析、目指したいレベルなどを設定し、それについてレポートにまとめたり、領域ごとの施策を提案したりするという。
例えば、「顧客とつながる」という点では、顧客データから引き出した洞察に基づき、広告とターゲティングを最適化し、新規顧客の獲得と既存顧客の維持率の向上を実現するデジタル広告枠の購入や、そのために、自動化ツール(プログラマティック・メディア・バイイングなど)を使用して、戦略的かつ最適な広告枠の買い付けを行う提案など、具体的な取り組みまで踏み込むことになる。
「DXを実行したいと考えていても、それを実行するためのノウハウがなかったり、実行を支援するパートナーがいなかったりといった課題がある」と語るのは、日本マイクロソフト エンタープライズ&パートナー サービス統括本部 デジタル アドバイザリ サービス本部 本部長の丸谷淳氏。「日本マイクロソフトは、DXを実現するためのパートナーになりたいと考えており、そのための支援体制の1つが、デジタルマチュリティモデルになる」とする。
日本マイクロソフトでは、デジタルアドバイザーと呼ばれる人材を配置。全世界では500人、そのうち日本では7人のデジタルアドバイザーを配置している。
デジタルアドバイザー制度は、いまから約3年前にスタートしており、上流コンサルティングのスキルを持った社員によって構成しているという。「企業のビジネスディシジョンメーカー(BDM)に対して、フェース・トゥ・フェースで提案を行い、トラステッドパートナーとして、変革を支援する役割を担う」とする。
ここでは、DXを支援するための専門知識を持つとともに、グローバルリソースを活用した提案や、AI、MR(ミックスドリアリティー)、IoTなどの最新技術を活用したビジネス変革を提案するという。
DXの進展に伴い、日本マイクロソフトは、コンサルティングとデジタル技術提案を行うことができる上流領域の人材配置を強化しており、今後、日本におけるデジタルアドバイザーの陣容拡大も図ることになる。
日本マイクロソフトは、DXの実行のための適切なパートナーになれるか。ツール、人材、体制という観点から、そのための準備が着々と進んでいる。
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