スマホで使える競馬予測AI「SIVA」、その的中率はどれくらい?:週末エンプラこぼれ話
初開催となった「AI・業務自動化展」で展示されていた競馬予測AI「SIVA」。これを使えば、競馬素人でも一山当てられる……のだろうか。
タクシー需要予測AI、ダイヤモンド鑑定AIなど、ITmedia エンタープライズでは、さまざまな人工知能(AI)を取り上げてきたが、最近では、競艇予想サイトの「みずはのめ」など、ギャンブルの結果を予測する“現金”な人工知能も生まれている。
東京ビッグサイトで開催中の展示会「AI・業務自動化展」(2018年5月9〜11日)で展示されていたのは、AIスタートアップ「GAUSS」が開発した、競馬の結果を予測するAI「SIVA」だ。過去に行われた数万レースの結果を基に、中央競馬全レース(障害などを除く)の勝ち馬を予想するという。
各馬の戦歴やコースの種類や距離、といった各要素に重み付けを行い、機械学習を使ってアルゴリズムを作成した。2017年2月にアプリをリリースしてからの1年で、「単勝(1着を当てる)の的中率は約50%で、複勝(3着以内の馬を当てる)の的中率は約80%、回収率(購入した馬券の金額に対する払戻金の割合)は130%程度」(説明員)だったそうだ。
スマートフォンアプリ(Android、iOS)をダウンロードするだけで無料で利用でき、入力インタフェースにチャットbotを採用するなど、競馬をあまりよく知らないライトユーザーでも親しめるUIにこだわったという。アプリとSNSを連携させた「会員」は約2万8000人にまで増えた。
この人工知能を開発したのは、GAUSS創業者の宇都宮綱紀さん。富士通に勤めていたころ、AIを開発したくなり、競馬予想をしようと考えたという。プロトタイプを作るのにかかった時間は「大体1〜2カ月程度」(説明員)。2016年秋に開発を始め、年末の有馬記念には間に合ったとか。
自身は全く競馬に興味がなかったものの、両親が競馬ファンだったという宇都宮さん。親から競馬の結果を聞かれることが多かったため、すぐに結果が分かるようチャットbotを開発したそうだ。
同社によれば「新馬が出てくる春から夏は的中率が下がる傾向にあるが、冬にかけて上がっていく」とのこと。競馬を知らないアナタも、人工知能の力を使えば一山当てられるかも!?
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