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AI搭載球形顔つきロボット「CIMON」、ISSに搭乗へ
国際宇宙ステーション(ISS)の新たな乗組員として、AI搭載ロボット「CIMON」がFalcon 9でISSに向かっている。Airbusの本体にIBM Watsonの頭脳を搭載したCIMONは、ISS内を動き回り、飛行士と音声で会話する。
米宇宙企業SpaceXは6月29日(現地時間)、NASA(米航空宇宙局)のケネディ宇宙センターからの「Falcon 9」ロケットの打ち上げを成功させた。国際宇宙ステーション(ISS)への15回目になる物資輸送が目的で、ISSには7月2日に到着する見込み。
この物資には、新たな“サイバー乗組員”、AI搭載ロボット「CIMON(Crew Interactive MObile companioN)」が含まれる。
CIMONは、独航空宇宙センター(DLR)が仏Airbusおよび米IBMと共同開発した球形のロボット。Airbus製の本体に、IBMのWatson採用の頭脳を搭載する。直径約32センチで重さは(地球上で)約5キロ。センサー、カメラ、スピーチプロセッサなどを搭載し、音声による命令に音声および(通常は顔が表示されている)ディスプレイで答える。
ISS内を浮遊し、内蔵する12の送風機を使って自由に移動する。頷いたり顔を横に振ったりもする。例えばマニュアルを表示することもできるので、宇宙飛行士は操作中にページをめくったりせずにマニュアルを参照できる。
DLRは、将来的にはCIMONの後継者を地上の医療、介護、教育などの分野で利用できるようにしていきたいとしている。
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