Slack、Microsoft対抗でAtlassianのHipchatを買収 Hipchatは来年2月に終了へ
企業向けコラボレーションツールのSlackが、競合するHipchatとStrideをAtlassianから買収し、ユーザーにSlackへの移行を勧めている。来年2月に2つのサービスは終了する。Teamsを無料化したMicrosoftに対抗する狙いだ。
企業向けコラボレーションツール「Slack」を運営する米Slack Technologiesは7月26日(現地時間)、エンジニア向けツールの豪Atlassianが運営する競合チャットサービス「Hipchat」および動画チャット、グループチャットサービスの「Stride」を買収したと発表した。
買収総額などの取引の詳細は公表されていないが、SlackはHipchatとStrideの知的財産権を買収し、AtlassianはSlackに“わずかだが象徴的に重要な”出資をするという。
Atlassianは売却するサービス以外の「Trello」や「Jira Cloud」などでもSlackとの統合を強化していく。HipchatとStrideについては、既存ユーザーにSlackへの移行を勧めており、2019年2月にはサービスを終了する計画だ。
Slackは世界で50万以上の企業が利用しており、その中の7万社以上が有料プランのユーザーだ。日間アクティブユーザー数は800万人。
企業向けコラボレーションツール市場には、米Microsoftや米Googleも参入している。Microsoftは13日、同社のコラボレーションツール「Microsoft Teams」の無料化を発表した。Teamsは20万以上の企業が利用しているという。
【更新:2018年7月27日午前1時05分 当初Slackの週間アクティブユーザー数が800万人としていましたが、これは日本での数字で、世界では日間アクティブユーザーが800万人でした。お詫びして訂正します。】
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