「Oracle Digital」本格始動 オラクルは中堅・中小企業のクラウド活用に貢献できるか:Weekly Memo(1/2 ページ)
オラクルが、中堅・中小企業向けのクラウド事業に注力している。プロジェクト名は「Oracle Digital」。果たして日本の中堅・中小企業のクラウド活用に貢献できるか。Oracle Digitalのキーパーソンに話を聞いた。
間もなく開設される「Oracle Digital Hub Tokyo」
「オラクルってクラウドやってるの」「えっ、そんなに安く使えるんだ」――。日本オラクルで中堅・中小企業向けクラウド事業を推進する営業組織「Oracle Digital」の責任者を務める本多充執行役員オラクル・デジタル本部長によると、これまで1年ほど営業活動を行ってきて、訪問した多くの企業から最初に言われたのは、この2つの言葉だという。
今回は、本多氏に取材する機会を得たので、クラウド市場で今注目されているOracle Digitalの活動とともに、日本の中堅・中小企業のクラウド活用にも目を向けてみたい。
日本オラクルがOracle Digitalを設立したのは2017年6月。同月から新会計年度が始まった同社にとっては、1年間のOracle Digitalの立ち上げ期間が終わり、2年目に入ってこれからいよいよ本格始動といったところだ。
ただ、同社はこれまでOracle Digitalについての情報をあまり発信していない。それというのも、その活動拠点となる「Oracle Digital Hub Tokyo」を同社の本社内に間もなく開設するのを機に、本格的な情報発信を行う計画だからだ。
ちなみに、このOracle Digital Hub Tokyoでは、中堅・中小企業向けクラウド事業を強力に推進するため、マーケティングオートメーションを導入したデジタルマーケティング、SNSなどを使ったソーシャルセリング、Webカンファレンスによるライブデモなど、新たな営業スタイルに取り組んでいく構えだ。
詳細はその活動拠点を開設した際の情報発信を待つとして、ここではこれまで1年間のOracle Digitalの立ち上げ期間において、営業活動で得た事業の手応えを本多氏に聞いた。
これまで中堅・中小企業向け事業に本格的に取り組んでこなかった同社は、まず各種の会社情報から訪問先をリストアップして、まさしく飛び込み営業を行ったという。冒頭で紹介した2つの言葉は、その流れで出てきたものである。
本多氏によると、その営業活動で当初はクラウドサービスなどの説明に終始していたが、そのうちコストパフォーマンスの高さが評価されるようになり、競合他社とのコンペに勝ったり、リプレース案件を獲得できたりするようになってきたという。
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