JBSはなぜ、ホンダのデジタル革新プロジェクトで信頼を勝ち取れたのか――SIer社長が得た教訓:Weekly Memo(1/2 ページ)
ホンダが取り組むデジタル革新を、SIerがMicrosoftのクラウドを活用して支援 ――。そんな興味深い事例の話を聞く機会があった。プロジェクトからSIer社長が得た教訓とは。
ホンダの新サービスをJBSがクラウド活用にて支援
日本マイクロソフトが先頃開催したパートナー向けイベントで、興味深い事例の話を聞く機会があったので、今回はその内容を取り上げたい。それは、本田技研工業(以下、ホンダ)が取り組むデジタル革新を、システムインテグレーター(以下、SIer)の日本ビジネスシステムズ(以下、JBS)がクラウド基盤サービス「Microsoft Azure」を活用して支援したプロジェクトである。
同イベントの基調講演では、JBSの牧田幸弘社長がこの事例を紹介した。ホンダが取り組むデジタル革新で、牧田氏がまず挙げたのは「グローバルインフラの整備」だ。ホンダは自動車をはじめ、バイクや船舶、ビジネスジェット機のエンジンなどの開発・生産・販売をグローバルで手掛けており、従業員数は21万人に上る。
ホンダではその21万人に対し、「Microsoft Active Directory」によるID管理、「Microsoft Office 365」によるコミュニケーションの環境を、2013年からおよそ2年かけてグローバルインフラとして整備した。これがつまりは、デジタル革新のインフラでもある。
牧田氏によると、ホンダはそうしたインフラ整備を終えたうえで、「モノづくりからコトづくりへ」と変わる需要をキャッチアップするため、デジタル技術を活用した一般消費者向けサービスにも乗り出した。そのプロジェクトの1つとして、2017年11月から東京・横浜・大阪エリアで展開しているのが「カーシェア型レンタカーサービス」である。
「EveryGO」と名付けられたこのサービスは、従来のレンタカーサービスをベースに、24時間いつでも使え、月会費や初期費用は無料、Webで簡単に予約でき、運転免許証をタッチすれば車の鍵が開くという仕組みだ。(図1)
使い方は、スマートフォンやPCから入会手続きを行い、予約は24時間いつでも可能。ICチップ付きの運転免許証をタッチすれば車の鍵が開いて利用でき、返却も運転免許証をタッチするだけでよい。(図2)
牧田氏はEveryGOについて、「基本はレンタカーサービスだが、カーシェアサービスと同等以上の利用メリットがあり、しかも使いやすいということで、利用者からは非常に好評を博している」と手応えを感じている様子だ。
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