ファーストキャリアの選び方 会社という環境を“使い倒して”成長する方法:榊巻亮の『ブレイクスルー備忘録』(1/2 ページ)
“本当にやりたい仕事”にたどり着くため、選びに選んだファーストキャリアの職場を最大限に生かし、自己成長を遂げるには、選んだ環境を使い倒すための「2つのマインド」が重要です。
この記事は榊巻亮氏のブログ「榊巻亮の『ブレイクスルー備忘録』」より転載、編集しています。
「ファーストキャリアの選び方」と題して、「会社選び」や「入社してからの仕事」についての役に立つヒントを紹介する4回シリーズ。第3回までで、ファーストキャリアの選び方について書いてきた。最終回の今回は、「選びに選んだ環境(会社)を使い倒すためのマインド」について解説する。
“環境×マインド”で伸び方が決まる
これから入社する企業を選ぶ身としては、当然、より良い環境を選びたいもの。その際、本当に大事なのは、「会社や会社が用意してくれる環境の良しあし」よりも、「会社という環境を使い倒すマインド」なのだ。
第1回の記事で、「会社選びに『100%の正解はない』」と書いたのも、そういう意味だ。自分の心構え一つで、全然結果が異なる。
なぜなら、“環境×マインド”で、その後の伸び方が決まるからだ。選びに選んだ環境をどう生かすかは、あなたのマインドに大きく左右される。どんなに良い環境でも、マインドが0点なら、全く生かせない。
- 環境が100点で、マインドが10点だと、結局経験は10点になる。
- 環境が90点でも、マインドが100点なら、90点が手に入る。
極端だけど、そういうことだ。100点の環境を探し続けても、生産的ではない理由はここにある。95点の環境が見つかったら、自分のマインドを引き上げることに力を注いだ方がいい。
では、選んだ環境で保持すべきマインドとは何か? 具体的には、以下の2つだと考える。
1. 変革マインド
どれだけ良い環境(良い会社)を選んだとしても、完璧な環境が手に入るわけではない。与えられた環境で戦うしかないこともある。なんとなく自分の好きな環境でないこともあるだろう。
そうなると、多くのビジネスマンが環境に文句を言い、そこから学ぶことをやめてしまう。自分の納得できない環境が目の前にあったとき、そこで腐ってしまう。そして、自分好みの新しい環境が共有されるのをただ待つことになる。
それではダメだ。
自分で環境を作り変える気概を持ってもらいたい。自分が楽しめるように、自分で環境を変える。イマイチだと思う環境でも諦めず、必要に応じて自分で変化を起こす。諦めず、満足せず、自分でより良い状況を作り出そうとする能力は、それこそ職種に全く関係なく、効いてくる。
与えられた状況にぶら下がるマインドではなく、自分で状況を作っていくマインドだ。
そもそも自分に「ピッタリ合う」環境などない。合ったとしても、たまたまその瞬間、合っただけ。自分も変化するし、環境側も変化する。だから自分で自分の環境を変化させられないとダメだ。
「仕事が楽しくなーい」と思ったら、どうすれば楽しくなるのか工夫する必要がある。「仕事にやりがいがない」と感じるなら、なぜやりがいがないのか、どうすればやりがいが出るのか考えて、環境を変える必要がある。
これを「変革マインド」と呼ぶ。自己変革であり、環境変革のマインドだ。大企業に染まったサラリーマンは、案外これを失ってしまう。
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