Google Cloudのダイアン・グリーンCEO退任へ Oracleの元プレジデントが後任
VMwareの共同創業者で2015年からGoogle CloudのCEOを務めてきたダイアン・グリーン氏が2019年に退社する。後任はOracleのプレジデントで9月に退社したトーマス・クリアン氏。グリーン氏はAlphabetの取締役には留まる。
米Googleは11月17日(現地時間)、クラウド部門CEOのダイアン・グリーン氏(63)が退任すると発表した。後任には米Oracleを9月に退社した元プレジデント、トーマス・クリアン氏(51)。クリアン氏は26日付で入社し、来年CEOに就任する見込みだ。グリーン氏はGoogleの親会社であるAlphabetの取締役には留まる。
グリーン氏は、2015年に同職に就いた際、2年で次のステップに進もうと考えていたという。同氏は「信じられないほど刺激的で生産的な3年間を過ごした後、私は教育と指導について長い間持っていた情熱に目を向ける」と公式ブログで語った。主に女性起業家をサポートする事業を考えているという。
グリーン氏は、バーモント大学、マサチューセッツ工科大学(MIT)、カリフォルニア大学バークレー校でコンピュータ科学などを学び、SGI、Tandem、Sybaseなどを経て1998年にVMwareを共同創設し、2008年まで社長兼CEOを務めた。VMwareは2007年に米EMCに買収された。2012年からGoogleの取締役を務めている。
後任のクリアン氏はプリンストン大学で電気工学とコンピュータ科学を学び、スタンフォード大学でMBAを取得した後、McKinsey & Companyに務めた後、1996年にOracle入りし、最終的にはラリー・エリソン氏の直属だった。
同氏は公式ブログで「Google Cloudにとって重要で有望な時期に、素晴らしいチームに加わることに興奮している。Google Cloudがこれまでの成功を基に、次の成長段階に入ることを楽しみにしている」と語った。
Google CloudはAIに力を入れており、9月にはカーネギーメロン大学(CMU)コンピュータ科学学部長のアンドリュー・ムーア博士をクラウド部門Google Cloud AI(人工知能)の責任者に迎えると発表している。AlphabetはGoogle Cloudの部門単体の売り上げは発表していないが、直近の業績発表で「クラウドが特に好調」としていた。
同部門は従業員から批判されている米国防総省とのAI開発プロジェクト「Project Maven」で中心的な役割を果たしており、グリーン氏は従業員や社外に対する説明で苦慮していた。このプロジェクトは2019年で終了するが、Googleは今後も政府機関にAI関連での協力を続けるとしている。
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