野良ロボットを防ぎ、安全にRPAを使うための「4つのルール」:RPAで始める業務自動化のススメ(8)(1/3 ページ)
どうやってロボットを作るか、という「開発」に目が向きがちなRPAですが、それと同等、あるいはそれ以上に重要なのは、どうやって安全に「運用」するかという視点です。今回はRPAを安全に使うためのルールを犬に例えて(!)考えます。
自分の業務を自動化できるRPAを作れたとしても、それが周りから迷惑がられる場合もある――前回の記事では、そんな「野良ロボット」の問題点を、野良犬に例えて説明しました。日本には、野良犬が増えないように規制する法律(狂犬病予防法)がありますが、個人利用の範囲を超え、社内でRPAの取り組みを進める際にも法律、つまりルールが必要なのです。
今回の記事では、狂犬病予防法の例をRPAに当てはめ、安全にソフトウェアロボットを利用し、野良ロボットの増殖を防ぐ仕組みを考えたいと思います。
RPAの運用ルールがないのは、「社内規定」がないのと同じこと
人間と同じように働くソフトウェアロボットは、実体こそありませんが、ある面では立派な労働力、つまり「社員」と同じように考えるべきポイントがあります。
企業で働いている皆さんは、入社した際に会社のルール(社則や社内規定)の説明を受けたかと思います。さすがに全ての規則を網羅するかは分かりませんが、少なくとも日々の業務に必要なふるまいについては、説明を受けたのではないでしょうか。
一方、多くの企業では、現状RPAを利用するときのルールは存在しません。普及し始めたばかりの技術なので、ルールが整備されていないのは当然ですが、これって社則がない状態で社員が働いているのと同じだと思いませんか? 「会社にルールがないなら導入できない」と思う方もいるかもしれませんが、その判断は早計でしょう。国の法律だって時代に合わせて変わります。ルールがないのなら、新しく作ってしまえばいいのです。
企業によって必要なプロセスは異なりますが、新たな取り組みを社内に展開するには、新しいルールが不可欠です。とはいえ、最初から厳格過ぎるルールを作ってしまえば、RPAの展開を阻害してしまうでしょう。それでは本末転倒です。
ならば、どのようなルールを作ればいいのか。ここで「狂犬病予防法」の登場です。前回の記事では、以下に挙げた4つのルールを紹介しました。これを参考に、犬をロボットに読み替えて順に解説したいと思います。
- 生後91日以上の飼い犬は、登録が義務付けられている
- 狂犬病予防の注射を受ける必要がある(年に1回)
- 登録され、注射を受けた犬には鑑札と注射済票が交付され、飼い犬に装着する必要がある
- 都道府県知事に任命された狂犬病予防員の管理の下、徘徊犬(野良犬など)を保護する
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