レジなしショップ用深層学習スマートカート、米新興企業Caperからデビュー
米新興企業Caperが、「Amazon Go」のようなレジなしショップを実現するためのスマートショッピングカートを発表した。カートに入った商品を画像解析と重量センサーで認知し、カート付属の読み取り機にクレジットカードを差し込むことでレジに並ばずに決済できる。
米新興企業Caperは1月10日(現地時間)、レジに並ばずに買い物の決済が可能なディープラーニング採用ショッピングカート「Caper Smart Shopping Cart」を発表した。拠点のあるニューヨークの2つのスーパーマーケットに既に提供しており、年内に米国内で150店舗に展開する計画という。
最初のモデルは、買い物客がカートについたスキャナーで商品のバーコードを読み取ってからカートに入れる必要があるが、初代モデルで収集する買い物データで学習アルゴリズムを訓練し、来年中にはカートに入れるだけでスキャンレスでカウントできるようにするとしている。
カートはディスプレイ、カメラ、重量センサー、位置情報センサーなどを搭載する。ディスプレイにはカートに入れた商品が表示される他、その商品と組み合わせて作れるお勧めレシピとそのために必要な食材とその販売位置の紹介や、売り場でのカートの現在地、バーゲンのお知らせなども表示される。
ショッピングカートのデータを直接クラウドに送るため、米Microsoftが7日に発表したレジなしショップのように棚のタグまですべて刷新する必要はなく、中小規模の小売業者でも導入しやすそうだ。Caperは「複雑なインストールや運用の再構築を必要としないプラグアンドプレイソリューションを構築した」としている。
Caperはニューヨークに拠点を置く2015年創業の非公開企業。共同創業者のリンドン・ガオCEOはニューヨーク大学卒業後、Merrill LynchやJ.P. Morganでアナリストを務めた後、Caperを立ち上げた。Y Combinatorのアドバイザーも務めている。同社はFirst Round CapitalやY Combinatorが支援している。
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