運用を自動化できる自律型DBは、中小企業の人手不足にこそ効果――オラクルのアプローチとは:Weekly Memo(1/2 ページ)
日本オラクルが中堅・中小企業向けクラウドの新営業拠点となる「Digital Hub Tokyo」を開設した。その意図は何か。一方、この会見からは、中堅・中小企業のIT活用における課題も浮き彫りになった。
中堅・中小企業向けクラウドの新営業拠点を開設
「ここは別会社だと思っていただきたい」――。日本オラクルのフランク・オーバーマイヤー取締役 執行役社長CEOは、同社が先頃開いた中堅・中小企業向けクラウドの新営業拠点「Oracle Digital Hub Tokyo」開設に関する記者説明会でこう語った。同氏が「ここ」と言うのは、同社本社(東京都港区北青山)の19〜21階に設けられた新拠点のことである。
このOracle Digital Hub Tokyoに陣取るのは、およそ1年半前に設立された中堅・中小企業向けクラウド事業を推進する営業組織「Oracle Digital」である。
オーバーマイヤー氏はOracle Digitalについて、「オラクルはこれまで、大手のお客さまに対して大手のパートナー企業と一緒にビジネスを展開することが多かった。それに対し、Oracle Digitalは中堅・中小のお客さまに対して直接、当社のクラウドサービスの営業アプローチを行っていく」と、既存の組織との違いを説明した。
また、Oracle Digital Hub Tokyoについては、「Oracle Digitalはこの最先端のオフィス環境で、中堅・中小のお客さまのニーズを迅速かつ的確なアプローチで対応することができる。ここには、IaaS、PaaS、SaaS、そしてデジタル変革を提案する人材が結集しており、必要に応じて素早く連携することで、お客さまの生産性向上に貢献していけると確信している」と述べた。
実は、Oracle Digitalについては、2018年7月30日付けの本コラム「Oracle Digital本格始動 オラクルは中堅・中小企業のクラウド活用に貢献できるか」で、同社の本多充 執行役員オラクル・デジタル本部長に当時の状況を取材してまとめた。それによると、Oracle Digital Hub Tokyoの開設も「間もなく」と記していたが、実際には少し時間がかかったようだ。
この点について、本多氏は今回の会見で「Oracle Digitalとしてしっかりと業務を遂行できるように、機能性やデザインにこだわった」からだと話す。ポイントとしては、「顧客とのやりとりを迅速かつ的確に行うための最新技術の装備」「どこでもすぐに打ち合わせができるスペースの設置」「誰でも働きやすい環境づくり」といった点を挙げた。
デザインコンセプトには「数寄屋」を選んだ。日本文化を取り入れることに経営陣がこだわったとか。さらに、フロアごとにも異なるテーマを持たせたという。
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