インタビュー
“不確実性”を技術で解決してこそ「エンジニア」――リクルートが挑む内製化への道(5/5 ページ)
ビジネスの要件に対して柔軟なシステムを作るために「内製化」に舵を切る企業が増えてきている。5年ほど前から内製化に取り組んできたリクルートテクノロジーズは、時には失敗も経験しながら、そのメリットを見定めてきた。同社が考える内製化成功のポイントとは?
内製化はあくまで手段、まずは解決したい課題を定義せよ
リクルートテクノロジーズの取り組みから分かるのは、内製化はゴールではないということだ。宮川さんは「内製化はあくまで手段。まずは、どんな課題を解決したいのかを精査すべきでしょう」と指摘する。リクルートの場合は、以下の3つの課題を解決するために内製化を進めている。
- エンハンスに求めるスピードが上がっている
- 規模の拡大による、技術的な負債の蓄積を解消したい
- 今後の新しいビジネス価値に、エンジニアならではの観点を見いだしたい
「『何となく内製化したら良くなりそうだから』という形で内製化すると、本当に得たいことが何も得られなくなる可能性が高い。手段ありきにしないところが重要です。組織体制的な観点で言えば、周りがきちんと理解することが大切でしょう。『内製化すれば効率や生産性が上がるんでしょ。社員2、3人いれば全部作れるんだよね』と期待されるようなパターンは危ないですね。そんな単純なものではないから、というところからスタートしないと。その相互理解さえあれば、うまく進められると思います」(宮川さん)
「エンジニアがビジネス的な価値を発揮すること」がゴールであって、内製化は手段でしかない。課題を解決するための試行錯誤の結果が、内製化やスクラム開発、エンジニアの育成であり、組織作りへとつながっていくのだ。エンジニアの価値を突き詰める同社の挑戦は、これからも続いていく。
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