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AIで特許文書のスクリーニングを効率化――昭和電工と日本IBM、「特許読解支援システム」を共同構築
昭和電工は、IBM Watsonのコンテンツ分析技術を活用した「特許読解支援システム」を日本IBMと共同で構築した。難解かつ長大で複雑な依存関係の特許情報が構造化され、視覚的に示されることで、効率的な特許読解が可能になる。社内実証では、特許1件当たりの読解時間を約45%短縮できたという。
昭和電工は2019年4月10日、日本IBMと共同で特許情報の効果的かつ効率的なスクリーニングを支援する「特許読解支援システム」を構築し、2019年7月から全社で運用を開始すると発表した。同システムにより、特許文書の可読性を高め、技術者の特許読解時間の大幅な削減を目指す。
特許読解支援システムの構築には、文書情報を統合的かつ横断的に収集し、高度な分類、分析が可能なコグニティブテクノロジー「IBM Watson Explorer」を採用。「IBM Watson」によるテキスト解析・探索機能、文書関連付け機能、特許に特化したアイデア抽出機能を利用することで、効率的な特許情報の読解を支援する。
さらに、昭和電工の技術領域である化学分野の特許文書の特徴に合わせた文書関連付け機能を付与し、特許文書の可読性向上に特化したインタフェースを備えたシステムを構築した。
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